汝に神が与えし一瞬ニュージーランド・南島 カンタベリー地方 風景 2021.08.24 時には思いもよらぬことが起きる特に旅先で、神のいたずらとでもいうのかそんな一瞬を捕らえた、一期一会の風景 shoot IIIニュージーランド(英連邦王国)・南島 カンタベリー地方クライストチャーチ市内在りし日のクライストチャーチ大聖堂 この一枚は二〇一一年二月二二日にカンタベリー地方で発生したマグニチュード六・一のカンタベリー地震の数年前に撮影した思い出の一枚。この地震ではクライストチャーチ周辺に甚大な被害が生じ、市内の多くの地域で停電や断水が発生し、被害家屋は四万から五万棟、また市内のビルが倒壊したことで多数の死傷者が発生した。何といっても衝撃的だったのは、市民の憩いの場でもあり、信仰の中心ある『クライストチャーチ大聖堂』が崩壊していたことだった・・・。 撮影は南半球が初夏の二月に行った。空港に到着後、その足でチャーチ市内を軽くロケハンをした。空模様は雲が流れ光を遮る、不安定な天気から始まった。夕方六時には完全に雲に覆われ、今にも夕立が来る気配。本日の夕食は観光局の方が一席設けてくれている、なぜかといえば今回のロケ旅にはボス(二話に登場)が同行しているからなのだ。今にも雨が降り出しそうなので、ロケハンを中止して約束の店へと向かう。その道すがら、大聖堂を初めて見た。 「石で積み上げられているのに、スマートで均等の取れた教会だなぁ」と特別な感情も湧かず通り過ぎた。 店に入り案内されたのは、大きな窓から街を見渡せる、この店一番のいい席だった。観光局スタッフとの挨拶も終わり、何気なく外を見れば、少しだが雲が切れてきた様子。「むむっ」これはもしかすれば西日が射すかもしれない、行かなければ、外へ出なければ! 焦る気持ちを抑えて、ボスに「ちょっと、見てきます。先に食べていて下さい」と。ボスは「今日はもういいだろう」と言ったのだが、一度言い出したら止めることが出来ないと分かっている、アゴをしゃくり無言で「行って来い」と送り出してくれた。 外に出ると、街全体が茜色のベールに包まれている、霧や黄砂とも違う透明度が高く見たことがない現象だ。四五機材を抱えて兎に角、大聖堂前に急いだ。そこで見た風景は、柔らかいピンク色の光に包まれて建つ『クライストチャーチ大聖堂』。その姿は「慈愛に満ち溢れている」とでも表現すればいいのか、それ以外の言葉が見つからなかった、通りすがりのキューイ達(ニュージーランド人の敬称)も足を止め眺めている。五分もすれば元の世界に戻るはずだ、まさしく、神が与えしい一瞬。幸先のよいファーストカットが撮れ、このツアーもうまくいくと思ったが、天候に悩まされるツアーになることはまだ知る由も無かった。そのことは次にでも話そう。 クライストチャーチ大聖堂で大型チェスで楽しむキューイたち、災害など感じさせない普通の日常の一コマ。 マッケンジー盆地に位置する、3つの湖の中で最大面積のテカポ湖。そのほとりに建つ「善き羊飼いの教会」、教会内からの湖越しのサザンアルプスは美しい。おじさんが写り込んでいるのはご愛嬌だ。 世界遺産マウントクック国立公園左下に見えるのが有名なザ・ハーミテージホテルとビレッジ、正面奥にそびえるのが「マウントクック」。対面のレッドターンズ・トレイルより撮影。急な勾配を駆け上り1時間強で展望台1,100mに到着、機材が重い時代だった。 レッドターンズ・トレイルを降りた後すぐに向かったのが「フッカーバレートラック」だ。間近に見たニュージーランド最高峰「マウントクック(標高3,724m)」は中々の迫力。 オタゴ地方にある19世紀にタイムスリップする街「オアマル」。古い建物を活かし、ちょいとオシャレな観光地、散策するにはいい街だ。 おれが むらた だ!一合一肴九献目酒 / 山形正宗 稲造 肴 / 豚肉とセリのさと煮 還暦前、写真家の「写して候・寄って候」天皇御陵踏破の旅第十回 古墳時代 一七代〜一八代天皇陵 ホーム風景