vol.8
旅を始める前に 「旅への準備」  

旅を始める前に リレーエッセイ第八回  

西オーストラリアの世界遺産シャーク・ベイの「シェルビーチ」
パースから700kmほど北に位置する、小さな貝殻で埋め尽くされた遠浅の海岸。

秋台風が近づいている中、このエッセイを書いている。新型コロナとの共存共栄(?)ができだし、世の中も落ち着きはじめているのに・・・、本当は旅に出かけていたのだが・・・。台風の影響で予定を変更してパソコンに向かっている(苦笑)、大きな被害がでないことを祈りながら。
台風が去れば今は「旅に出ることができる」、行動制限されずに自由に動けるのは嬉しいこと、この二年間は色々と我慢の連続だった。
我慢と言えば、もう一つ我慢していることがある。極私的なことだが、今、使っている「一眼レフ・デジカメ」から「ミラーレス・カメラ」に変えるかどうかだ。こんな言い方をすれば、それは「我慢」ではなく「迷っている」と思われるだろう。でも、違う。なぜ我慢なのかと言えば、ミラーレス・カメラを購入しても間違いなく旅に「一眼レフ」も持って行ってしまうから・・・、結局は二台持ちで行動をしなければならないからだ。

シェル・ビーチの近くの町「モンキーマイヤ」
シャーク・ベイ・ロードから見たシェル・ビーチ

旅には、荷物が少なければ少ない方がいい、できる限り極限まで重量を軽くしたいもの。それならば、レンズが驚異的に進化した「iフォン」でいいのでは? と言われる御仁もいるだろう。いやいや、形から入ってしまう我々世代は「ズッシリ」したカメラを三脚に備え付け撮影しなければ気が済まないのだ(苦笑)。
でも、やはりカメラ機材を軽くしたい! その願いのすべては、より良い被写体(風景)を見つけるために行動範囲を広げたいからだ。若かりしころには、数十キロの荷物も気にならず一日中歩きまわれたが、老いには勝てなくなってきた。今となれば、若い頃の半分ほどしか歩いていない(歩けない)のが現状だ。

遠浅のシェル・ビーチを撮影機材を持って沖まで歩いた。
海は限りなく透明で、貝殻の干潟が永遠と続いた。

だが、その分知恵も付いてきた、ムダに歳をとってはいない、その「知恵」とは旅の前の予習・準備をするようになった。予習・準備と言っても簡単ことだ、ただ被写体になるだろう場所の地図(Googleマップ)を見て「方位」を確認する。それに伴い「日の出・日の入時間」も調べる。どの時間に現地に居れば、意図する風景が撮れるかがわかる。すなわち、順光か逆光かの判断がつく。
「日の出・日の入時間」については行動時間の割り出しに役に立ち、何より旅先での朝日(または夕日)は撮りたいもの。日の出前の「ブルーモーメント」は神秘的な青で、日の入り後の「薄暮」も哀愁があり捨てがたい。

余りにも広いため、被写体に厚みを持たせたいため現地で借りた脚立を遠浅の沖まで運ぶバカがいる(今ならドローンで撮影できる)。
シェル・ビーチでくつろぐ、ビジター。

次に「ストリートビュー」などで、その場所の地理感を掴んでおく、これは凄く便利です! 被写体を高台から見下ろしたい時などに、現地で一か八かで昇らずにすむ上、時間の短縮にもなり行動範囲が広がる。
また、被写体が海岸地域や海の場合は「潮見表カレンダー」で潮の満ち引きを調べておくと便利、場所により干潮の干潟が美しい所もあるからです。潮の満ち引きを分かっていれば、自ずと月の満ち欠けも分かる「一石二鳥」なのです。星空が撮りたいのに、月が明るすぎて星が見えない・・・そんな苦い経験をしてきたから調べるようになった。

世界遺産シャーク・ベイのもう一つの見所、地球最古の生命体「ストロマトライト」の群生地。
もちろん、引潮の干潮時間にしか見られない。

ざっと言えばこの位のことをやっていれば、有意義な時間を過ごし、旅撮影ができるはず(笑)。天候だけにはいまだ勝てないが・・・。
この台風が過ぎ、秋晴れの日には旅にでるつもりだ! この歳になっても旅の前日はワクワクする。

モンキーマイヤのホテル・ビレッジ。ここの夕日も美しかった。

シェル・ビーチ

世界遺産シャーク湾|シェルビーチ・ストロマトライト・ジュゴンの楽園へ – skyticket 観光ガイド
西オーストラリアのシャーク湾は、パースから700kmほど北に位置する世界遺産です。地球上最古の生命体といわれるストロマトライト、見渡す限り小さな貝殻で埋め尽くされたシェル・ビーチで注目の場所。そして、世界最大のジュゴンの生息地としても有名で...
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