汝に神が与えし一瞬

カナダ アルバータ州
世界遺産カナディアンロッキー バンフ国立公園

god

時には思いもよらぬことが起きる特に旅先で、
神のいたずらとでもいうのか
そんな一瞬を捕らえた、

一期一会の風景
 

shoot  II
カナダ(英連邦王国) アルバータ州
世界遺産カナディアンロッキー
バンフ国立公園 レイク・ルイーズ 
リトル・ビーハイブより

バンフ国立公園 レイク・ルイーズ



 このワンカットは早朝一本の国際電話からはじまった。

 宿泊しているフェアモント・シャトー・レイクルイーズのフロントから国際電話を告げるコール音で目をさました、電話の主は我々のボス、大手旅行代理店の課長からだ。先方は足早に用件を言い電話を切った、オレは自分でも驚くくらい大きなため息を吐いた。撮影の追加だ、それでなくても停滞前線のため撮影は遅れ気味、同室の相方はまだバカな寝顔で夢の中、そのバカ顏を見ながら「どうしたものだろうか」と考えた。

 まずはこの立地から紹介しておこう、泊まっているホテルは世界の泊まりたいホテルランキング上位のシャトー・レイクルイーズ。カナディアンロッキーを縦断するアイスフィールド・パーク・ウェイから入る枝道の終点にある、三方山に囲まれた森の中にぽつんと佇むホテル。ホテルの前にはロッキーで一番美しいといわれるレイーズ湖が広がり、その借景には万年雪をたたえるビクトリア山がそびえている。この湖と山の写真はとても有名で誰もが一度は目にしていると思う。追加撮影のオーダーは、その風景にホテルも入れてくれとのことだ。

 それから数日、そのカットをどうすれば撮影できるか、考えながら悶々と過ごしていた。ロケの待ち時間があり、一旦、ホテルに戻りロビーで休憩をしていると「ロッキートレイル」の文字が目に留まった。この周辺からの山岳ガイドブックだ、ルートにはこのホテルからの出発のトレイルが載っていた。「ビック・ビーハイブトレイル」だ、そのルートの日向き方向を確認するなどし『これはいける』と感じた。頂上のビックまで行けばホテルと湖を縦に見て遠すぎるし、すでにガイドブックに同じような写真が掲載されている。

 途中の分岐を曲がればリトル・ビーハイブに行ける、そこからならホテルを入れて湖を側面から見れる、奥には山がなく抜けがある。まだ、日本では紹介されていない一枚。『これしかない』と強く思った。翌日、午後から高低差四〇〇メートル、昇り三時間半の道のりを、一五キロの機材を背にして、熊に怯えながら、まだ見ぬこの画を求めてひたすら登った。
 

バンフ国立公園 レイク・ルイーズ

重い機材を背負い、ここまで昇ってきた。
満足いく風景だったので珍しく記念撮影。
 

バンフ国立公園 レイク・アグネス

リトル・ビーハイブのトレイル途中のレイク・アグネス、
奥に見えるのがビック・ビーハイブ。あれに昇るのだけは嫌だった。
レイク・アグネス・トレイル・ビュー・ポイント
 

フェアモント・シャトー・レイクルイーズ
フェアモント・シャトー・レイクルイーズ

世界の憧れの泊まりたいホテルランキング上位に入る
フェアモント・シャトー・レイクルイーズの外観と客室
  

バンフ国立公園 ハーバードレイク

アイスフィールド・パーク・ウェイの脇道にあるハーバードレイク。
朝靄と鏡面となった湖が神秘的だ。
 

ブラックベア

アイスフィールド・パーク・ウェイを走っていれば、
良く出会うブラックベア。遠くから眺めるにはとてもかわいい。
 
 

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