本の方舟 第六回
写真・文/カベルナリア吉田
「スロートラベル 島めぐりフェリーで行こう!」 東京書籍

ページを開けて、言葉と言葉を繋ぐと、
知らない世界の扉が開く。
行きたい所へ、いつでも行ける。

第六回 
写真・文/カベルナリア吉田
「スロートラベル  島めぐりフェリーで行こう!」
出版社 東京書籍
発売日 2003年
税別価格 1,500円

表紙と裏表紙、このイラストがいいんです! スローっぽくて(笑)。

時代を超える「スロートラベル」エッセイの良書!

 古い本で、既に絶版しているかもしれない一冊。紀行エッセイスト「カベルナリア吉田」さんの初期作品「スロートラベル  島めぐりフェリーで行こう!」を今更の紹介です。

 刊行されたのが2003年、今から22年前、掲載されている11航路中現役で稼働している機材(船)は、なんと4隻・・・(11航路とも運行はしてますよ、お間違いなく)。この本を参考に船旅で出かけようと思っても、この情報では役に立たないですね(苦笑)。でも、この本は時代を超えた「スロートラベル」の良書なので機会があれば是非にお読みください。

 本の内容は11航路を使い「カベルナリア吉田」さんが離島に渡り、その滞在記をゆる~く語っているだけの(失礼!)スローエッセイな内容です。

今でも憧れの沖縄航路「クイーンコーラル」10日間

 16歳の時に神戸から小豆島を目指す船旅に出た、それが離島航路デビューだった。その日より船旅に魅了され、現在も時間があるのなら飛行機より船を選択してしまう。そんな船旅好きの小生だが、この本で紹介されている『マリックスライン クイーンコーラル・クイーンコーラル8』には、まだ乗ったことがない・・・。なぜかといえば、鹿児島から沖縄まで10日間掛かる船旅だからなのです(笑)。

 この航路の寄港する島は、鹿児島を出港して「奄美大島」「徳之島」「沖永良部島」「与論島」「沖縄・本部」「那覇」となっている、琉球弧の半分を寄港しながら南下していくのです。これを10日間かけ沖縄本島に到着、沖縄本島で観光したければ3日は必要、帰路日(飛行機を利用)を入れれば約14日間! これじゃ、現役世代には到底無理! リタイアしてからの楽しみにするしかない、憧れの沖縄航路。

現在は「クイーンコーラル」「クイーンコーラル8」に代わり新しい船が就航しています。

ソノひびヨリの同志たちも利用した航路

 島根から「隠岐の島」を繋ぐ航路、この航路で「隠岐の島」に渡った同志たちがいる。天皇陵から天皇の足跡を旅する「赤木翁」と動物をこよなく愛してやまない「やまんなかタヌキ」さんの二人だ。小生はいまだ乗船・上陸しておらず残念です、島の話を聞けば羨ましい限りだ・・・。よく似た島名の「壱岐島」には呼子から渡ったのだけれど、関係ないが(笑)。

島根から隠岐を繋ぐ「隠岐汽船・フェリーくにが」は、今も現役で就航しています。1999年の就航なのでそろそろ退役かな。

小生が一番馴染み深い、石垣・鳩間島航路の「かりゆし」

 いまだ現役の「かりゆし」、石垣島・離島桟橋から人口約60人ほどの鳩間島を繋ぐ航路。当時、鳩間島に渡るには週3日運行のこの船か、西表島に一度入り上原港から郵便船に乗るほかなかった、ある意味、八重山諸島の秘島だった(笑)。

 この「かりゆし」は「貨客船」でもあり、島の生活物資も運ばれている。ただ、この船、足が遅く弱く高波ですぐ欠航してしまう始末。小生たち旅人はまだいいが、公共工事などの物資が届かず、役場から派遣されたガッテン系のお兄さんたちが昼から桟橋近くでよく酒盛りをしていた。いい思い出だ。

 現在では「八重山観光フェリー」「安栄観光」両社とも1日1便高速船が運航しています、直行なら石垣より40分ほどで、速いです~。

天候の悪い日にぶつかれば、運航するかしないかヤキモキした「かりゆし」
航路中、船から釣り糸を垂らす島民をよく見た(笑)。のどかな船旅。

 いかがですか? こんな旅。古い本でもいい本は変わらないですね、今だからこそスロートラベルを体験してはいかがでしょうか! いつもと違う時間を味わえますよ、船でゆっくり目的地へ。

2003年8月12日発売日、初版ですね。

 
 
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