旅を始める前に リレーエッセイ第九回
新年、あけましておめでとうございます。
ソノひびヨリも3年目を迎えました!
これもみなさまのお陰です、それとコロナ禍にも負けず
「旅」を続けてきた同志一同の賜物だと思っています。
本年も愛読のほどをよろしくお願いいたします。
さて、新年の始めは「旭・朝日!?(笑)」で飾りたいと思い、写真ライブラリーから集めていると、以外や以外に「旭(こちらの漢字で書きます)」の写真が少ないことに気づいたのです(苦笑)。旅先では必ずというくらいに、「旭」を狙いに行っているのに・・・。
改めて、旅の写真を見ながら記憶を辿ってみると、わりと撮影できず断念していることが多いことに気づきました! それは「なぜか」と言えば、まだ陽が昇らない時間に行動しなければ成らないからなのです。一応、前日・当日の天気予報で晴れは確認して行動するのですが、それが中々に上手く行かないことが多い・・・。
その一番の理由は簡単で、日が昇る東側に雲がある時が多いからです。頭上や他の方位には雲はないのに「東にだけ雲がある・・・」、そんな残念な空模様が徐々に明けて行くのをただ呆然と見つめ立ち尽くすだけなのです(苦笑)。
薄い雲なら陽が昇り出せば、日差しが雲を飛ばし美しい風景が広がる可能性もあります。厚い雲に覆われていれば、もう諦めるしかない。
このパターンによく当てはまるロケーションは、「海にぷっかり浮かぶ離島」や「山々に囲まれた山中」など水蒸気が発生しやすい場所に多いと記憶していますね。科学的根拠はないですが(笑)、何度も泣かされた経験があります。
薄曇りの中、はかなげな太陽だけれど、手前の仏像に救われた。数少ない成功例(笑)。そんな場合に私が現場でよくするのは、明るくなる日の出方向に雲を発見したら、日の出を諦めて「明けゆく空の色」を意識した画にすぐさま変更です! 運が良ければ、先ほども言った「日差しで雲が飛ぶ」場合は、その流れで「日の出」も捕らえられることもある(すごく、稀ですが)。でも、東の水平線(地平線など)から空高く厚い雲が覆っている時は撤収です(笑)、どうすることもできません! こんな時には早い諦めが肝心ですね、次の目的地に移動です!
でも、「せっかく早起きして来たんだから、もう少し粘りたい」方には、雲の状態(上にいくほど雲が薄くなっている場合ですよ!)をみて暫く待ってみるといいです。ただ、その場合は「日向き」を止めて「回れ右!」をして順光を狙います。ある程度、昇ったお日さま(雲で霞んでいる太陽)は、ただの逆光写真になってしまいますね。これを、あえて狙う人もいますが(笑)。これだと、ロケーションが分らず、どの場所で撮っても同じになってしまいます。
だから、逆を向き陽の当たる(順光に)風景を撮影します。これなら対象物に高い山などがあれば「朝」を感じさせることもできます。
最後に「旭の撮影」アドバイスってほどではないですが、カメラに「朝夕日機能(今のカメラにほぼ付いてる機能です)」があれば利用することをおススメします。それと、「HDR(ハイダイナミックレンジ)機能」があればそれもいいです、ハイとアンダーの許容範囲を拡大してコントラストを弱めてくれます。すなわち、「明るい部分」と「暗い部分」どちらの階調も犠牲にすることなく、より自然(肉眼で感じる)な描写が可能になります。太陽の原形をとどめてくれて、逆光で周辺が真っ暗にならなくなりますよ。
さらに写真精度を高めたい方には、「露出の測光ポイント」を動かし「適正」と感じるポジションにすることです。その場合の「ブラケティング(段階露光)」は、「適正」の前後・2段、特に明るいほうに多くするほうが良いと言われていますよ。
モニター画面(部分拡大して)を見ながら「飛びすぎないよう」「潰れないよう」露出補正しながら少し多めにシャッターを切ることが良いです。
日の出は時間との勝負です、できるだけ素早く撮影したいので、やはり「朝夕日機能」がおススメですかね!
さぁ、今年も旅に出てあなただけのいい写真を撮ってください!
写真撮影 赤木賢二