汝に神が与えし一瞬

アメリカ合衆国 ニューメキシコ州 サンタフェ
イン・アンド・スパ・アット・ロレット

god

時には思いもよらぬことが起きる特に旅先で、
神のいたずらとでもいうのか
そんな一瞬を捕らえた、

一期一会の風景
 

shoot  I
アメリカ合衆国   ニューメキシコ州  サンタフェ
イン・アンド・スパ・アット・ロレット

Santa Fe, New Mexico, USA



 このホテルはサンタフェの中心地、プラザと呼ばれている公園の近くに建っている、右には「奇跡の階段」がある教会(荻野目洋子が極秘に結婚式を挙げた)、左に行けばすぐアメリカ最古の教会「サンミゲル教会」がある。

 外壁はアドベ建築という赤土で塗り固められた壁になっている、その風情は街のランドマークといわれても納得してしまう、近代彫刻のような佇まいは美しい。一泊三六〇ドルもする高級ホテルが二週間のシューティングツアー中の仮のわが家となった。だが、ここに帰って来るのは夜の十一時ごろで、明日のスケジュールの組み直しから最終ミーティングをすれば夜中の二時、朝の出発は六時・・・ベッドに入ることができるのはたった四時間、良いホテルなのは充分わかっているけど全くもって無用の長物(立地の良さと部屋の広さはありがたかった)。

 なぜ、そんなに遅く帰ってくるのか? それは七月の日照時間の問題で北米大陸のセントラル地区にあるサンタフェは、平均標高一〇〇〇メートルでお日さまはあたり放題、朝五時過ぎには日が昇り、夜の日没は九時近く・・・おまけに日中の気温は乾燥の中の華氏一〇〇度、即ち日本でいうなら三四度の中、長時間にわたり野外で撮影をしている。

 毎日毎日ズタボロになりながら撮影を続けているとだんだんと頭の回転も悪くなり、スタッフともつまらない事でいざこざが増えてきた。休めるとしたら雨天のみだが期待は薄い・・・この時期は乾期だからだ。

 撮影日程も後半に差し掛かったある日、このツアー最長の移動の距離往復四〇〇キロの撮影も順調に終わり、帰りの道すがら撮影ポイントを探しては車を止めて撮影をした。そうこうしていると夕方(といっても真昼だ)、空の様子が怪しくなってきた、よくあるスコールだろうと思いつつ少しの休憩を取って天気予報を調べてもらったら、そこそこの雨量だそうだ。ガイドに帰り道が雨水で遮断される恐れがあると聞かされて、直ぐさま撤収命令(ラッキーだ)!ホテルに帰るまで、まだ一〇〇キロ以上もある赤土の道を睡魔に襲われながら帰るのであった。

 八時にホテル着予定、好天ならサンセットの時間だけど「今日は無いな」と自問自答。雨脚の強さに悩まされながらもサンタフェ市内に近づくと雨がやみ始めた。空には分厚い雲がまだ居座っている、ホテルの駐車場に着き機材を降ろそうとしたその時、雲と大地の隙間から夕日が差し込みはじめた!ロレットのアドベの壁に目を向けた、体が勝手に機材を掴み四五カメラの用意を始めた。その美しさを捕らえるには一瞬の勝負だ。
 

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晴天時の「イン・アンド・スパ・アット・ロレット」
 
 
 

汝に 神が 与えし 一瞬 Spin-off
サンタフェスタイルと言われる風景
 

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プラザ前のメインストリート、奥に見えるのが大聖堂
 

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アドベの壁の陰影が美しい。
 

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アドベ建築の集合住宅。整然と並ぶ、ブルーの郵便受けが、なんともかわいい。
 

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アート街だけあり、窓のステンドグラスもアバンギャルドだ。
 

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あるお家のリビング。室内もサンタフェスタイル。
 

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アメリカ最古の教会と言われる「サンミゲル教会」
 
 

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