ソノひびヨリ 第十五話
福岡県小倉 春の終わりに桜を求め、小倉の町を半日ぶらり

小倉城
まだ、桜が残っている小倉城

 この旅はちょいと私用で山陽新幹線「小倉」へ出かけた、約束の時間までには半日はある、桜も終わりの頃だったが桜の名所「小倉城」にも久しぶりに行ってみたかった。ほんの半日の小倉ぶらり散策をご紹介しよう。

小倉駅
この時、引退した2代目新幹線「100系」、薄いグレー地に濃いグレーと黄緑のラインが入いる。

 まずは小倉駅と併設している「北九州モノレール」で、二駅先の「旦過」まで乗車した。時間があれば充分歩ける距離だけど、先ほど述べたように夕方前には、小倉駅に戻ってこなければならないからだ。

小倉駅
博多駅ビルから延びる、「北九州モノレール」の軌道。

 「旦過」は市場で有名な所で、勿論、行くのだけれど、その前にちょっと寄り道。駅を下りて「旦過市場」と逆方向に川沿いを歩くこと約二分、映画や浪曲で知られている『無法松の一生』の「無法松の碑」があるらしい。『無法松の一生』は若かりし日の三國連太郎、勝新太郎が主役を貼って人気を集めた画だ。その主人公の「松五郎」は架空の人物なのだが、小倉の人々に愛され昭和三九年にこの碑が建てられた。来た事が無かったので寄り道した、感想は『こんなものか・・・(苦笑)』で「旦過市場」に向かう。

無法松の碑
ビルの裏にひっそりとある「無法松の碑」、散った桜の花が哀愁を感じさせる。
旦過市場
アーケード内での撮影は人が多すぎ無理でした・・・、入口付近で一枚です。

 ここから「旦過市場」には、川沿いに(来た道)歩きモノレールをくぐって約三分。思った通りに観光客で溢れ返っていた・・・(コロナ禍ではない時の話)、そそくさと手みやげを買い即退散(笑)。余談ですが、総菜屋さんのイワシやサバなどの青魚をぬかで炊き上げた「ぬか炊き」が旨い、お土産にいい小倉城下のソウルフード。
 次に向かうのは小倉城。やはり川沿い(北方面)を約七分歩けば「鴎外橋」に到着、川の向こうに小倉城の天守が見えます。
 なぜ、この橋が森鴎外の名前がついているかと言えば、明治32年、小倉の陸軍第12師団の軍医として小倉に赴任して在住していたんです。だから、小倉には鴎外の軌跡がたくさん残っていんるんですよ。

鷗外橋
鷗外橋(水鳥の橋)と奥に見えるのが小倉城天守

 橋を渡り右折すれば「虎ノ門口」、ここから入らずもう少し歩くと(リバーウォーク北九州の前)城内の公園に入るメインストリートがあります。ここ道の入口右後方に、幕末から明治期の陸軍軍人「乃木希典」の住居跡の碑がポッンとあるます、彼が官軍として「西南の役」に出動するまで暮らした場所です。
 こうしてしみじみ歩くと小倉には、多くの明治期・陸軍の歴史が残っている。小倉城内の公園にまだまだあります。

乃木希典住居跡
「乃木希典住居跡」はリバーウォーク北九州横、NHKビルの裾にあります。
小倉城
メインストリート入って直ぐの一枚。

 では、城内に入るメインストリートに戻って(笑)。道に入れば天守閣が目の前にそびえ、その手前直ぐに「小倉祇園八坂神社」の一之鳥居がありますよ。ここには先ほどまでの戦史の話とは違い、真逆の「ちょっと不思議で、ちょっと笑える」場所があります! 本殿の後にある「神楽殿」、ここは恋愛成就のパワースポットと若者たちに大人気! なぜかと言えば、神楽殿の「御幕」はイエロー地にピンクのハート柄です!! そしてなんと、鐘の形が「ピンクのハート形」なのです。コロナが明けたら一度たずねて下さい、愛が届くかもしれませんよ(笑)。

小倉祇園八坂神社
小倉祇園八坂神社本殿、裏の「神楽殿」。「かわいい!」、本殿の主祭神スサノオノミコトなのにね。

 さぁ、一之鳥居まで戻って城内に入る大手門へ向かいましょう。大手門に向かって左側、「松の丸の石垣」の桜が見事に咲き誇っていました! まだ、間に合いました〜。
 またまた余談ですが、この石垣の前の「小倉城大手門前広場」では、毎年七月には祇園太鼓の競演会が行われるていますよ、夏は祭もあり見所満天です。

小倉城
小倉城
小倉城

 大手門跡に入り、城内に上がる坂にも桜が咲ていた、これは城内も満開かと思って期待したが葉桜だった・・・(涙)。
 桜の咲いている所を探し城内を散策、すると「着見櫓」の向かい辺りにまた戦争遺産を発見。「四年式十五糎榴弾砲」と書かれていた大正期のものらしい、「榴弾砲」と言えば乃木希典が日露戦争・旅順攻略に使われたカノン砲を思い出しました。
 少し桜が残っている場所を見つけたので行けば「レンガの柱?」、いえいえ違います、森鴎外が軍医部長を務めた「第十二師団司令部」の正門跡です。

四年式十五糎榴弾砲
第十二師団司令部
この辺りには桜がまだ残っていました、「同期の桜〜♬」と言うくらいだから(笑)。

 近代日本の戦争遺産が本当に多い・・・、でも、それだけじゃなく小倉城の横には「松本清張記念館」や「小倉城庭園」があるので半日は楽しめますよ!
 そろそろ、約束の時間だ小倉駅に戻る事にします。
 
 

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