ソノひびヨリ 第五話 『熊本・九州新幹線初乗車旅』〈後編〉

熊本県 『熊本・新旧対決、九州新幹線初乗車旅』
 

熊本城

『二様の石垣』だ、この風景が威風堂々し好きだ。
 

熊本駅
熊本駅

西口に新しく建った駅舎と東側の白川口駅舎(二〇一八年三月に閉鎖解体)
 

 駅に着き、一番最初に見たいのは、西口に建った新駅舎の外観。「うぅ~ん・・・」一目散に来た割りには旅情感の無
さにがっかり(安藤忠雄さんゴメン)、気を取り直し東側の白川口駅舎へ向かう。熊本といえばこの駅舎だ、バルコニー
を模したであろう半円のエントランスの屋根、四階建てに見えて、実は四階の一部を除いて壁だけのハリボテ(笑)。こ
れがいいのだよ!、この新旧対決は旧駅舎の勝利!(二〇一八年三月に閉鎖解体・涙)。

 白川口前から路面電車で市内の中心地へ、市内一の繁華街、下通りに向かう。下通りは約五〇〇メートルにわたるアーケードの商店街を、ぶらぶらと歩き北端の鶴屋百貨店前に到着。何やら、人だかり?人垣の隙間から、見え隠れする黒い物体は、全国区の人気者『くまモン』だ。ここ、鶴屋には、くまモンの執務室『くまモンスクエア』がある、運が良ければ合えるかもしれないぞ(ワシも合えて嬉しかったぞ)。くまモンに別れを告げて、足早に熊本城に向かう。
 その途中、行幸橋で出合ったのが、もう一人の人気者『清正公』にだ。日本三名城の一つに数えられる、熊本城を築いたのが加藤清正公なのだ、現在も清正公(せいしょこ)さんとして熊本市民に親しまれている。「たずねよう、ワシとくまモンではどちらが人気者じゃ? 答えよ!」「いえいえ、この新旧勝敗はドロー。では、登城させて頂きます。ご免」。

 行幸橋を渡たり、近くにある『櫨方門(はぜかたもん)』より入城。ここから入れば、長塀を間近で見ながら進めば、目
的の『二様の石垣』はすぐそこ。『二様の石垣』とは、加藤時代の石垣と細川時代の石垣の違い(勾配や積み方)を同時に二つ見る事ができる石垣で、その奥には天守が望める絶好の撮影ポイントだ。この二年後に『熊本地震』で被災し、文化財に深刻な被害を残したのだが、『二様の石垣』ビクともせず、中世の姿のままに建っている。だが、その他の被害が多く、熊本城完全修復までには一八年も掛かる(二〇三八年まで)。無論、震災の被害は城だけではない、人々の暮らしもまだまだ復興なかばにある、出来れば多くの人に観光で来て欲しいと願う。勿論、東北にもだ。
 この旅は、二年後の地震を知る由もなく、ご機嫌で九州新幹線を祝い大阪へと帰った。平穏なそのひびよりだった
 
高野山料理 花菱

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くまモン
加藤清正

熊本の新旧人気者
 

熊本城

緑に映える長塀、漆喰の白が美しい直線を感じさせ、広さも演出している。
 

熊本城

この階段を昇れば目的地だ
 
 

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