ソノひびヨリ 第五話 『熊本・九州新幹線初乗車旅』〈前編〉

熊本県 『熊本・新旧対決、九州新幹線初乗車旅』
 

熊本城天守閣
熊本城

先月26日、復旧工事を完了して一般公開された熊本城天守閣と眺望(写真は修復前)
 

 コロナ禍の中で吉報が届いた。
 熊本地震による被災からの復旧工事を完了した、熊本城天守閣の一般公開が四月二六日から始まる。それを祝って、震災前の熊本への旅の話しを書きたいのだ。
 その日は博多での仕事を終えて、我が本家のある筑豊に向かい一泊して、次の日に帰阪する日程の旅。ただ、真っすぐに大阪に帰るわけではなく、博多駅より熊本駅まで行き、そこから大阪に帰る「念願の九州新幹線初乗車・ちょっと大回りムダだけど乗りたい乗りたい大作戦」を敢行する楽しみにしていた日なのだ!

 なぜ、二〇一一年三月開通の九州新幹線を三年後に初乗車? かというと、そこには色々とワシの思いやタイミングもあった。それは、開通前日一一日に発生した『東日本大震災』も、大きく関わっていたと思う。ワシ自身、被害は比べ物にはならないほど小さいが、『阪神淡路大震災』で被災した。多くの友と知人を亡くした。そんな心の澱が、開通の年の初乗車を見送った(バカはバカなりに考えての事)。それから三年後、タイミングも合っての少し時期が外れた初乗車となった。もちろん、最高の旅びよりだ。

 その日、朝から墓参りの後、本家のある飯塚駅から筑豊本線・福北ゆたか線で博多駅を目指した。博多駅で熊本までの切符を購入、いよいよ九州新幹線初乗車! まず、分かって頂きたいのは、この新幹線の画期的な早さなのだ(当たり前だけど)。例えば、在来線で博多から熊本に向かうなら、博多駅から久留米駅(乗車時間三五分)へ、久留米駅で乗り換えて熊本駅まで一時間一七分かかる、合計乗車時間が約二時間。それが、新幹線開通で博多・熊本間を最短三二分で走り、各駅停車『つばめ』でさえも五〇分で到着する、驚異的な早さなのだ。九州人にとって念願の「平成版・夢の超特急(古くさい言い方ですまぬ)」。ワシは乗車時間を少しでも長くするために、各駅停車の『つばめ』に乗車。車内に入ると、装飾に目を見張る、木目を基調としたネオ・ジャパネスクとでも言えばよいのだろうか。シックな空間を演出している、インバウンド客にも受けるはず。そんなこんなを、考えていると「あっ」という間に到着した。やは
り、「凄いぞ、早いぞ」小躍りするバカは熊本駅に降り立った。(後編につづく)
 
 

つばめ

博多駅13番ホームに入車する「つばめ」
 

つばめ

「つばめ」 のロゴマークがいい。少し昭和の匂いを残した良いデザインだ。
 

つばめ
つばめ

座席だけではなく、空間全体がシックな木目調のイメージを演出している。
 

つばめ

窓の形も和のテイストでブラインドが御簾をイメージしているのか。
 
 

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