和歌山県 『和歌山城桜まつり』
寂しさを抱え歩くと、打って変わって華やかな天守閣が見えてきた!大手門をくぐると見事な石垣、司馬遼太郎の「街道をゆく」に書かれていた名城だ。城内の庭には多からず少なからずの桜の立木がある、さすがは徳川御三家、節約を由とし贅を尽くさずにギリギリの本数で美を表現している、当時の武家の知恵を感じる(ビンボーだったのかな)。美しい桜を眺めながら天守広場から天守閣へと上がる、城下に広がる紀ノ川と紀州の海を見ると頭はやはり江戸時代にタイムスリップ。その時代の交通で畿内から最も早く江戸に物を運べるのが紀州の海上運送だった、それで大儲けしたのが紀伊国屋門左衛門と語られている。ここは近畿地方で一番、江戸に近かったのだろう、時間も文化も。そういえば花見をする人達の公衆道徳を守った楽しみ方に脱帽。大阪とは大違いだ(何とかならないかね)、そんな気質も徳川の影響なのかと考察し納得する次第。
では、花より団子ではないが、砂の丸広場「全肉祭」へ向かうことにする。全国から多くの店が参加していて、迷いに迷い和牛ステーキとビール、味は? まぁ、普通に美味しく頂きました(笑)。その後、城内横のミニ動物園で天然記念物の紀州犬を見て和歌山城を後にしJR和歌山駅に向かった。一日中立っていたので少し疲れ気味、駅近の老舗『多田屋』で一献ですな! 瓶の中でとぐろ巻くハブと目が合った、しかたなく「すまぬ、すまぬ」とハブハーブ酒一〇年ものを頂いた。パワーも戻り家路に向かう前に近鉄百貨店で晩酌の友を物色、タイムサービスでセコガニを購入! ご機嫌でホームに向かうが、待てど暮らせど電車はこない、すると向いのホームに大阪行き発車のアナウンス!? 間抜けとんまでホームを間違えていた、行きも帰りも「あぁ~ 本当に!!」。
それでも、その日はいい日和だった。