翌日、空はうす曇り。本日は「慰霊の日」も近い、昨日とは逆の方向に南下して糸満にある「平和祈念公園」を目指した。なぜならば、この公園には前から訪れたいと思っていた『慰霊塔』があるからだ。
那覇市内から車で約四〇分で「平和祈念公園」に到着。約四〇ヘクタールの広大な敷地内は「平和ゾーン」「霊域ゾーン」「平和式典ゾーン」「園路広場ゾーン」に分かれている。一番、観光客が訪れるのは、平和ゾーンにある沖縄戦終結五〇周年(一九九五年)に建てられた「平和の礎(いしじ)」、摩文仁の丘から海を望む「平和の広場」で、そこには「平和の火」が灯されている。そこから半放射状に延びる道を進めば、目的の慰霊碑に辿り着いた。
どうしても慰霊に訪れたかったのは「島守之塔」と言う慰霊塔だ。この慰霊塔は戦時下の中、最後の県知事となり、沖縄に赴任し殉職された「島田叡知事」と「荒井警察部長」、県職員
四五三名を祀る慰霊塔。
塔、建立には旧県庁の生存者三百数十人、県民を中心とした浄財・寄付により建立された。沖縄戦体験者には、色んな考えはあるだろうけど、島田叡の人望が慰霊塔を建たせたのだろう。
「ここに行きたい」と思ったきっかけは、一冊の本だった。惜しくも、昨年お亡くなりになられたノンフィクション作家・田村洋三さんが書いた『沖縄の島守』。あえて、ここでは内容を書かず、ご興味のある方は読んで頂きたい、本は読まない方には、本年七月に島田叡知事を主材にした映画『島守の塔』公開予定です。是非、ご覧になって下さい。
「島守之塔」で献花を終え、最後に「黎明之塔」より海を見つめ、先人たちへ「恒久平和」の祈りをあげた。
次に向かうのは「平和祈念公園」から車で約三〇分、知念半島の先にある沖縄本島最高位のパワースポット世界遺産「斎場御嶽」だ。
琉球神話の神「アマミキヨ」によって創られたと言われている、聖域の斎場御嶽。
琉球王朝時代には、最高神女の聞得大君(きこえおおきみ)の就任儀式や、国の吉凶を占う政も行われていた。現在も尚、神司やユタなどの信仰の聖域とされている所だ。
ビジターセンターを抜けると、原始の森に入って行く。いくつかの拝所を通って行くと、あの有名な奇岩が目にはいる。六つある、最後の拝所「三庫理(サングーイ)」だ。二つの大きな岩が支え合い、三角形のトンネルになっている。この岩のトンネルを抜けると、海が広がる風景に出合える。その沖に浮かぶ島こそが「アマミキヨ」が天から降り立った神の島「久高島」なのだ。
神の島「久高島」を目の前にしてこの旅を終えた。だが、この後、那覇で朝まで島酒を呑むことになった・・・。
世界遺産 斎場御嶽
入場料金 おとな 300円
営業時間 3~10月
午前9時~午後6時(最終入場午後5時30分)
11~2月)
午前9時~午後5時30分(最終入場午後5時)
休息日 旧暦5月1日~3日、旧暦10月1日~3日を休息日
※旧暦設定のため毎年変動しますので、随時ホームページ等でご確認ください。
平和祈念公園
世界遺産 斎場御嶽
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