還暦前、写真家の「写して候・寄って候」
天皇御陵踏破の旅
近現代 一二二~一二四代天皇陵
五十路もなかばの頃、ふと考えた。
日本国とは何なのか、日本人とは何なのか。
その答えを探す為に、2600年を遡る時空の旅へ出た。
イデオロギーなど関係無い、ただ、今そこに残る時間の集積を写してみたい。
写真取材 赤木 賢二
武藏野陵と昭和天皇記念館
一二四代/昭和(しょうわ)天皇陵
諱/裕 仁 ひろひと(迪宮・みちのみや)
在位年/西暦一九二六~一九八九年
陵形/上円下方
皇居/皇居(東京都)
所在地 武藏野陵 東京都八王子市長房町 武蔵陵墓地
最寄駅 JR・京王「高尾」下車、約2.5km、徒歩約40分。
東京都立川市緑町「花みどり文化センター」内に建つ「昭和天皇記念館」は、昭和天皇御在位五十年記念事業(1976年・昭和51年)の一環として設置された。その趣旨は「昭和天皇」の87年に及ぶご生涯について、多くの国民に知っていただくために設立された記念館。
緑を愛され、生物を愛された「昭和天皇」を象徴するように「国営昭和記念公園・花みどり文化センター」内に設置されている。その展示内容は『平常展示』として「昭和天皇87年の御生涯」を「ご誕生・ご幼少時」「皇太子・摂政時」「ご即位・激動の日々」「巡幸・復興の日々」「ご公務」「儀式・行事と行幸」「国際親善」「平穏の日々・崩御」の8テーマに分けて展示している。『特集コーナー』では、「昭和大礼鹵簿模型」の展示、「終戦」時の玉音放送の資料、「戦後御巡幸」などの足跡を見ることができる。「昭和天皇」のみならず「香淳皇后」のご遺品、など貴重な資料を展示した記念館。
多摩モノレール「立川北」駅前から徒歩・約10分で「昭和天皇記念館」に着いた。
国営公園は広々として気持ちがいい~、大東京の人混みから解放された気分だ。
「昭和天皇記念館」の外観。高さを抑え、緑に同化するように建てられている。
エントランに入れば、昭和陛下の御製が飾らせている。入館料を支払い展示場へ向かう。
まず目についたのが「儀式用御椅子」! 昭和28年(1953年)から44年まで皇居仮宮殿にて使用された椅子が展示されている。美しい、その一言しか出ない。
国産御料車(ニッサン プリンス ロイヤル)だ!!
あの伝説の「プリンス自動車」が開発した国産初の御料車、昭和42年(1967年)から平成19年(2007年)まで大役をつとめた車だ。
全長6.3m、全幅2.1m、全高1.8m、エンジンはV型8気筒6400cc。
※開発途中「プリンス自動車」が「日産自動車」と合併したため「ニッサン プリンス ロイヤル」となっている。
「戦後御巡幸」で乗車された御用列車の模型。
戦後の地方巡幸は、「昭和天皇」のご希望ではじまり、昭和21年(1946年)2月の神奈川県からお始めになり、29年(1954年)の北海道まで、9年の歳月をかけ総行程距離・約3300kmの巡幸だったそうだ。残念ながら沖縄には行けなかった、そのご心中を察すると胸が痛む。
このコーナーでは、昭和天皇の戦後地方巡幸の主な訪問先を日本地図と年表で紹介している。
「昭和大礼鹵簿模型」
昭和3年(1928年)11月6日、「昭和天皇」は京都皇宮において即位礼・大嘗祭を執り行うため京都へ向け出発された。その時の、宮城(皇居)から東京駅へ向かう「お列」を模型で再現されていた。