
四〇分の船旅で大阪から淡路島へ到着!
数年前、「日本クルーズ&フェリー学会」の乗船会に参加した際、大阪岬町関係の方から、大阪岬町・深日港から兵庫県淡路島・洲本をつなぐフェリーがあることをお聞きした。その時は「社会実験・地方創生事業」として期間限定で、土日を中心に運航されていたけど、今年に入って毎日運航されることになったのです!これは是非に乗ってみたいと思い「淡路島・洲本日帰りツアー」を計画、そのため、朝一便・八時五分発に乗船を目指し、晴れの日を狙い朝早い出発です!
向かう大阪側の出港地は、南海本線「なんば」より「みさき公園」で多奈川線に乗り換え「深日港」まで約一時間、大阪最南端の岬町に到着、駅からほど近くに船着場がありとても便利~。



船着場近くの「深日港観光案内所・さんぽるた」で予約したチケットを買えば、いよいよ乗船です。この「深日洲本ライナー」は大阪湾を挟んで対岸の淡路島・洲本まで約二〇km、約四〇分で繋いでいます。「ん!」、時速で約三〇km、ノットで言ったら約一六ノット・・・。年末に乗船した石垣・離島ターミナルから西表島・大原の距離が約三〇kmで乗船時間が長くて四五分、時速約四〇km、約二一ノット。比べてみると「深日洲本ライナー」は少し鈍足気味? いえいえ、交通量の多い大阪湾を安全に航行するためですよね(笑)、約四〇分で大阪から淡路島に行けるのだから上等です(車だと二時間弱)! それに片道が一八〇〇円と料金もリーズナブルですから(車だと一般料金で約五千円)。

さぁ八時、「シーガル号」に乗船です、船体の真ん中付近から船内入口があり、船首前方は客席オンリーで、後方にはサイクリストの為の自転車置き場があり、その後ろに座先が並んでします。全席数は一二〇席、自転車置き場もふけめ、意外にゆったりとしたスペースが確保されていました。この日は自転車が四台、その中の二台には「日本一周中」の表示がありました、がんばれ~。
船内を散策していると間もなく「出港」の合図、護岸に目をやれば作業していたスタッフさんたちが大きな仕草で手を降り出しました。旅情感の演出ですね(笑)、良い船旅が期待できそうです。
港内を出ると船はスピードを上げ、前方の淡路島へとほぼ直進航路です。進行方向右側には関西国際空港と関空橋が見え、左側には和歌山県の友ヶ島が見えます~。この船窓もなかなかのものですよ! ちなみに往路のチケット半券があれば、復路は百円引きになります。捨てずに持っておきましょう! 船内を撮影している間に、いつのまにか淡路島・洲本港に入港、ほんと四〇分って速いですね~。

下・自転車置き場の後の座席

下・大阪湾に入ると船はどんどん加速していきます。


思った以上に移動時間がかかる淡路島、洲本散策に予定変更
約四〇分の船旅を終えて、淡路島・洲本に上陸。次々とチャリダーたちも下船して、目的地へと走り出していきました。私はのんびり徒歩五分ほどのバスターミナルにある「洲本観光案内所」に向かい、情報を収集することにします。
事前に行きたい場所を調べていたのだけれど、観光案内所で訊ねればどこもバスを乗り継ぎ片道一時間以上かかるみたいです! さすがは淡路島、思った以上に広い! 帰りの船が一六時二五分、現在九時を過ぎたところ、現地七時間をいかに過ごすか洲本市街マップを眺め思案中・・・。すると観光案内所のスタッフの方が「ここから徒歩で三〇分くらいで見晴らしの良い『洲本城跡展望台(洲本八景)』がありますよ、自然道を二〇分歩いて低山登山のような感じで楽しめますよ!」と良い情報を頂き、即決です! ただ、この日の気温が三〇度超えの猛暑日(予報では)、展望台後の行程を考えると徒歩は少し辛いと思ったので、電動自転車を借りようとしたら・・・。スタッフの方が「自転車はお勧めできないのです、下り坂が急で、とても危ないのです。」と瞬殺された。「郷に入れば郷に従え」で言われた通り徒歩で向かうことになったのです。


下・ポートターミナルビル「ポートピア洲本」。ボートレースの場外舟券売り場があった、それっぽい爺さんが屯っていた(笑)。

まずの目的地が決定した、次にする事はお腹を満たすこと。朝早くの出発だったので何も食べずにきた、低山と言えども登山になるのでしっかり朝ごはんを食べ、行動食を購入しときます。便利なことにバスターミナルの向かいがスーパー、それも大好きなローカルスーパーの「マルナカ」が! 「マルナカ」は香川県高松に本社があるスーパーなので、地産物を期待し入店したのですが! しかし、店内に入って愕然! なんと「イオン」のマーク・・・、ここはイオングループのようです(撃沈)。ちなみにすぐ近くに大きなイオンタウンがあるのに・・・不思議だ。

標高一三三mの低山を登れば、洲本市を一望できる絶景スポットへ
お腹を満たして「マルナカ」の横の県道七六線「南淡路水仙ライン」を東南方向に歩き出します、大浜海水浴場の前を通り、洲本温泉街にある「夢海遊」と言うホテルを過ぎれば「登山口」の標識が現れたました。ホテル横の舗装された坂道を登れば、正面に「三熊山」と刻まれた石標の右手に近畿自然歩道があり山上へと続いています。それと「三熊山?」などという物騒な名前だけど、淡路島ではツキノワグマは確認されていません、今のところだけど(笑)。

下・「三熊山」の登山口、なんだか物々しい石標がど~んと置かれていました。

標識の指す「史跡・洲本城跡」の方向に向かうと緩やかな登りから自然歩道が始まり、徐々に斜度がキツくなっていきます。足元は朝露で湿っていて(苔類も多いです)少し不安定です、登る方はスニーカーで充分なので足元に気をつけて登りましょう。それと歩く時間は片道二〇分と短いのですが、三熊山山上・洲本城跡の標高が一三三mです。これを一気に登る感じです、体調面を考えて行動してください。もちろん、車でも行けますよ(山上には無料駐車場があります)。
自然歩道を歩き出し五分もすれば、急勾配の登りが前方に現れ出した・・・。その時! 突然、一〇mほど先の山側斜面より茶色い物体が飛び出してきた! 驚きながらも冷静に観察をすると、体高(脚から頭までの高さ)約一二〇m、角を入れると一八〇mはある牡鹿だったのです! 撮影を試みようとゆっくり体を動かし準備を始めた、その瞬間「キーン!」とひと鳴き右手の谷の藪に姿を消した。残念。シャッターチャンスを逃し悔やむつつ、慎重に牡鹿の立っていた場所に向かおうとした時に、また山側斜面から小振りな雌鹿が私の前を横切り谷へと消えていった・・・。
驚きと得した様な高揚感を持ちつつ自然歩道を進んでいく、程なく行程の半分の分岐に差し掛かった。途中には洲本城石垣の遺構が残されていたけど、あまりにも突然の鹿との出会いでちゃんと見ることができなかった・・・(苦笑)。

左・分岐の標識。厳島神社方面は下で町の方へと向かっていきます。私は左に進み本丸跡を目指します。
山上まで残り三〇〇m、ここからキツイ登りがあります! 足元には落石もちょこちょことあり、気を引き締め登っていくと土砂崩れがあったのか? 仮設の階段が備え付けられていました。その階段を登ると、藪を抜け青空の中に突如、天守展望台が出現! 山上に到着です。
階段の上は平地で石垣がそびえています、野面積みの立派な石垣を回り込むように進めば「大石段」に到着。この石段を登れば本丸です、この「大石段」前にトイレがあり、少し休憩をとって本丸に突撃です。


左・本丸南の虎口からの天守展望台
本丸までの最後の登り「大石段」をクリアーすれば、全てのミッションが完了!
そこに広がるパノラマは「洲本八景」の一番目「大浜を大観」です。晴れて気象状況の良い日には、関西国際空港や大阪堺の街並みまで見渡せることもあるそうです。でも、この日は少し霞んでいて遠くまでは見れませんでした、でも気持ちの良い眺めですよ。
朝の本丸には私一人、観光客は誰も居ません貸切状態で静かに風景を鑑賞することができました。確かにここはおススメですね!


「洲本八景」を堪能したのち天守展望台に向かうと、なんと! 老朽化のため展望台には登れない・・・。調べると、この天守展望台は1928年(昭和三年)に昭和天皇の即位を記念して作られそうで、現在、安全面が担保できない為、展望台には登れないとのことでした。でもここからの見晴らしも充分素敵で楽しむことができます。
しばらく誰もいない展望台下のベンチで風を受け、先ほど購入した甘い甘い「カステラサンド」を頬張ると疲れが吹っ飛びます(そんなに疲れてはいないですが・笑)。三〇分ほど風景を眺め、そろそろと思い時間を確認。まだ、十時半をまわったところ、次の目的を考えながら下山することにした。
本丸を出ようとした時、行きには気づかなかった「祠」と「案内表示」が目に入った。近づいて読んでみると、この三熊山に気のいい芝居好きの狸「芝右衛門」が住んでいたそうです。その狸「芝右衛門」を祀っているようです、狸を祀るって珍しく感じながらも、でも、この話どこかで聞いたことがあるような・・・。考えながら下山することにしました。


気になる芝居好きの狸「芝右衛門」の話が書かれた案内板。
<中編に続く>

