還暦前、写真家の「写して候・寄って候」
天皇御陵踏破の旅
五十路もなかばの頃、ふと考えた。
日本国とは何なのか、日本人とは何なのか。
その答えを探す為に、2600年を遡る時空の旅へ出た。
イデオロギーなど関係無い、
ただ、今そこに残る時間の集積を写してみたい。
写真取材 赤木 賢二
御陵のすぐ裏にある「後崇光太上天皇」の念持仏を祀るお寺「松林院」

追号/後崇光(ごすこう)太上天皇
御名/伏見宮貞成親王
生没年/西暦1372年(応安5年)~1456年(康正2年)
時代/室町時代
続柄/後花園天皇(子)
陵名/伏見松林院陵
陵形/未定
所在地 伏見松林院陵 京都府京都市伏見区新町522
最寄駅 京阪本線「中書島」下車、約六〇〇m、徒歩約八分。
御陵の裏(西側)にある「松林院」、浄土宗鎮西派の寺院。また、「伏見宮貞成親王」に仕えた女官が墓陵を守るため、上鳥羽にあった寺院をこの地に移した伝承がある。本尊の阿弥陀如来像は「後崇光太上天皇」の念持仏とも言われている。
松林院の墓所は寺院から約1キロほど北へ行った鷹匠町にあり、幕末、勤王の志士「坂本龍馬」などの定宿だった「伏見・寺田屋」の女将「お登勢」の墓がある。寺院周辺には「寺田屋」や「月桂冠大蔵記念館」等の観光地が多くある。

「松林院」の向かいには「月桂冠大蔵記念館」がある、この一角は伏見酒の総本山みたいだ。ここに入れば試飲もできるが、日が高い間に呑むとそのまま夜まで呑むことになる・・・やめておこう。

「松林院」の山門、残念ながら拝観はできないみたいだ、山門から覗くように撮影をするしかない。境内には桜が咲いているというのに・・・。

寺院横の「月桂冠大蔵記念館」観光バス駐車場に入り、境内が見えるところを探し当てた! これは不敬罪には当たらないはずだろう。
「松林院」から徒歩7分、伏見大手筋商店街の中にある「伏見宮仮御所」へ
「大光寺(宝厳院)」は、室町時代に「伏見殿(伏見御所)」が焼失したため、「栄仁親王(伏見宮家初代)」から「貞成親王(後崇光太上天皇)」までの「伏見殿」の仮御所となった。また、本堂内には「十二支守本尊仏」がすべてあり、その中には平安時代に造られた「大日如来像(未・申年生れの御守本尊)」や「後崇光太上天皇」の御念持仏「千手観音菩薩像(子年生れの御守本尊)」も残っている。現在は「伏見大手筋商店街」の中に山門がある。

「伏見大手筋商店街」の西端、賑やかな商店街は嬉しい。「大光寺(宝厳院)」のお参りを終えたら呑むぞ! と、思うや否や「大光寺」の山門に到着した。

上・商店街から見た「大光寺」の山門
下・境内から振り返り見た山門・・・不思議な感覚だ。

正式名「藤澤山 寳厳院 大光寺」、その本殿だと思う。この中に「後崇光太上天皇」の御念持仏「千手観音菩薩像」が安置されているのだろう。手を合わせ祈ることにした。

本堂にかかる寺院幕の真ん中「菊の御門」。またまた、覗けるところを探し撮影、ここにも菊の御門が・・・不敬だな。