旅を始める前に リレーエッセイ第八回
秋台風が近づいている中、このエッセイを書いている。新型コロナとの共存共栄(?)ができだし、世の中も落ち着きはじめているのに・・・、本当は旅に出かけていたのだが・・・。台風の影響で予定を変更してパソコンに向かっている(苦笑)、大きな被害がでないことを祈りながら。
台風が去れば今は「旅に出ることができる」、行動制限されずに自由に動けるのは嬉しいこと、この二年間は色々と我慢の連続だった。
我慢と言えば、もう一つ我慢していることがある。極私的なことだが、今、使っている「一眼レフ・デジカメ」から「ミラーレス・カメラ」に変えるかどうかだ。こんな言い方をすれば、それは「我慢」ではなく「迷っている」と思われるだろう。でも、違う。なぜ我慢なのかと言えば、ミラーレス・カメラを購入しても間違いなく旅に「一眼レフ」も持って行ってしまうから・・・、結局は二台持ちで行動をしなければならないからだ。
旅には、荷物が少なければ少ない方がいい、できる限り極限まで重量を軽くしたいもの。それならば、レンズが驚異的に進化した「iフォン」でいいのでは? と言われる御仁もいるだろう。いやいや、形から入ってしまう我々世代は「ズッシリ」したカメラを三脚に備え付け撮影しなければ気が済まないのだ(苦笑)。
でも、やはりカメラ機材を軽くしたい! その願いのすべては、より良い被写体(風景)を見つけるために行動範囲を広げたいからだ。若かりしころには、数十キロの荷物も気にならず一日中歩きまわれたが、老いには勝てなくなってきた。今となれば、若い頃の半分ほどしか歩いていない(歩けない)のが現状だ。
だが、その分知恵も付いてきた、ムダに歳をとってはいない、その「知恵」とは旅の前の予習・準備をするようになった。予習・準備と言っても簡単ことだ、ただ被写体になるだろう場所の地図(Googleマップ)を見て「方位」を確認する。それに伴い「日の出・日の入時間」も調べる。どの時間に現地に居れば、意図する風景が撮れるかがわかる。すなわち、順光か逆光かの判断がつく。
「日の出・日の入時間」については行動時間の割り出しに役に立ち、何より旅先での朝日(または夕日)は撮りたいもの。日の出前の「ブルーモーメント」は神秘的な青で、日の入り後の「薄暮」も哀愁があり捨てがたい。
次に「ストリートビュー」などで、その場所の地理感を掴んでおく、これは凄く便利です! 被写体を高台から見下ろしたい時などに、現地で一か八かで昇らずにすむ上、時間の短縮にもなり行動範囲が広がる。
また、被写体が海岸地域や海の場合は「潮見表カレンダー」で潮の満ち引きを調べておくと便利、場所により干潮の干潟が美しい所もあるからです。潮の満ち引きを分かっていれば、自ずと月の満ち欠けも分かる「一石二鳥」なのです。星空が撮りたいのに、月が明るすぎて星が見えない・・・そんな苦い経験をしてきたから調べるようになった。
ざっと言えばこの位のことをやっていれば、有意義な時間を過ごし、旅撮影ができるはず(笑)。天候だけにはいまだ勝てないが・・・。
この台風が過ぎ、秋晴れの日には旅にでるつもりだ! この歳になっても旅の前日はワクワクする。
シェル・ビーチ