坂を下り終わると舗装道になり、「金剛寺」への案内表示が立っている、しばらく歩くと集落が現れた。この集落の外れに『穴地蔵』が祀られている、この地蔵尊は身体中の全ての穴の病気に霊験がある上に、子宝にも恵まれると言い伝えられてる。
「少子化のこの世には、ありがたいお地蔵さんだ」と思っていたら、若い女性が自転車を止めてお参りだ。オレにも笑顔で会釈をして走り去って行った、何とも気持ちのいい笑顔だ。信仰は人と共に生き
てこそだ、子々孫々信仰が続いて欲しいとオレも願い歩みを進めることにした。
集落を抜けると農道に入る(一三時)、左手には田畑が広がり畦には菜の花が咲いている、こういう道はこの時期か彼岸花が咲く秋口頃がいい。牧歌的な日本の原風景を感じながらも頭の中には『裸の
大将・山下清』が登場した。
「ぼぼぼぼぼくは、おなかが、へったんだなぁ」
「おおおにぎりが、たたたべたいんだなぁ」
と菜の花の横でお弁当を広げている人を横目に『山下清』に憑依されたオレは昼食ポイントの『青賀原神社』前に着く(一三時半)。
舗装道に入り、『青賀原神社』の表示看板を見つけ坂を上る、菊の御紋の幟がはためいてみる、これは由緒正しき神社なのか由来を確かめてる。なんと祭神は天照大神の弟神である月読之尊(ツキヨミノミコト)と伝えられている。
「おぉ!」穢れ多きオレがこの様な場所で食事を取るなんて、恐れ多き事です「ぼぼぼぼぼくは、あああたまがよわいので・・・ごごごごちそうさまでした、おわり」。
素早くおにぎりを食べ、失礼の無い様にお参りをしてあとにした。
ゴールはもうまじか、最後の天野集落を抜けると天野山金剛寺が見えてくる、「多宝塔」横のしだれ桜が七分咲き「美しい」、参拝者も少なく静かな世界に身を投じ、暫し瞑想をしているとあの人にま
た憑依された!
「バババスは三時四〇分、かかかかわちながの駅行き。ははははやめのビビビビールでかかかんぱい。でででできれば、おおおおにぎりもほしいんだなぁ」
やはり、オレはバカなのだ「おわり」。
天野山・金剛寺