ソノひびヨリ
2023年 8月14日 <台風7号潮岬接近の日>
真田の里・九度山駅に途中下車。ホームで九度山名物を発見
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今日の目的地は「お盆には高野山」と南海高野線に乗車、何気無くアナウンスを聞いていると『本日、台風7号の影響により、天候によっては午後からの運行を取り止める可能性があります・・・。』と。「おぉ、これはまずい」と思い、どうするか・・・。思案の結果「九度山駅」で途中下車に決めた。九度山は高野山の玄関口で標高も低く「まず電車が止まることもない」、それにここには「女人高野」のお寺がある。山の上には行けないけど、「ここも昔は「高野山」の一つということで先祖供養ができるはず(笑)」、目的地を変更した。
電車は「紀の川」を渡り、川沿いにしばらく走ると「九度山駅」に到着。ホームに降りると「真田の赤備え」をイメージした駅舎がお出迎え、そうここは「関ヶ原」の戦後、勝者の徳川家康により西軍側の真田昌幸・幸村親子を幽閉した所でもあります。この「九度山」は3~4時間もあれば廻れる、小さな町で途中下車の旅におススメのスポットです。
駅舎の至る所の「赤備え」を眺めていると、対向ホーム(上り)に売店らしきお店に人だかりを見つけた、気になるので行ってみることにした。線路を渡り対向ホームへ、お店は「くど」という名前のおにぎりと和歌山物産店だった。買い物をしていたお客さんに聞いてみると「予約していたお弁当を取りにきたんですよ。ここの和歌山県産の食材を使った、お弁当、おにぎりがとても美味しくて。」と教えてくれた。そう聞けば「買わねばならぬ」と人気のおにぎりを購入した。お昼前でお店の中にある厨房?は大忙しの状態、少し待っておにぎりを受け取った。どこで食べようか? 考えていたら、スタッフの方が横(構内)に休憩できるイートインコーナーがあると案内してくれた。
お店の横にある階段を登れば、ウッドデッキのある「展望スペース」、その奥には南海電車のドアを取り付けている「屋内休憩所」がある。小雨が降ってきたので「展望スペース」はパスして、「屋内休憩所」でおにぎりを頬張った。
※ このおにぎりは是非食べてください、これ本当に美味しいです!! あまりの美味しさに写真を撮り忘れた・・・(苦笑)。
窓の外を見ると小雨も上がったようなので、改札を出て駅前の観光案内表示をチェックして歩き出すことにした。
「女人高野・慈尊院」は親子の情を感じさせるお寺
雨が上がったと言えども、怪しい空模様は変わらない、まずは目的の高野参りを先に済まし集落を観光することにした。駅からの下り坂を降り県道13号線を真っ直ぐ、「紀の川」の支流「丹生川」の「丹生橋」を渡れば「道の駅・くどやま店」がある。ここも見たいのだけど天候が怪しい、後ろ髪を引かれながら先に進む。「道の駅」を過ぎ「町立文化スポーツセンター」の裏道辺りから「古道」らしくなった。そのまま進むと赤い欄干の橋が見えた、この橋を渡れば、女人高野と呼ばれる「慈尊院」に到着。距離は約1,7km所要時間はたったの24分。
到着した、お寺の門前から目に付くのは「高野山・根本⼤塔」によく似た「多宝塔」、「根本⼤塔」のミニチュアみたいで可愛いです。いえいえ、高野山に上った気分が味わえてありがたい風景です!
そんな事を思い本堂へ、本堂には乳房を模した絵馬が沢山願掛けされている。ここで、なぜ「乳房」かといえば「慈尊院」はその昔「弘法大師」のお母さんが「我が子が開いている山(高野山)を一目見たい」と、香川県の善通寺より訪ねてこられた。遥々来たのだけれど当時、「高野山」は女人禁制だったこともあり入山できなかった。そこで「弘法大師」が山を下り、ここ「慈尊院」でお母さんと再会した場所と伝えられています。すなわち「母の愛」を形にしたのが「乳房」なんでしょうね。ご利益は、「子授け、安産、育児、授乳、良縁」などです、それを願って各地から多くの女性が訪れています。
本堂でお参りの後、境内を散策していると「多宝塔」の奥にある階段が気になって上ることにした。簡単に思ったが、なんと石段が119段・・・意外と苦労して到着した神社は「丹生官省符神社」。ここの言われは、「弘法大師」が「慈尊院」を開創した時に、その守り神として地元にゆかりのある「丹生都比売・高野御子(狩場明神)」の二神を祀ったそうです。社殿三棟は重要文化財に指定されています。また、雨が降り出してきた・・・注意して滑る石段を降りることにする。犬に導かれ高野山へ入った「弘法大師」、犬は居ないけど小雨の中足早に「道の駅・くどやま店」へ向かう(笑)。
偶然が偶然を呼び、必然の途中下車の旅になった
「慈尊院」出て「道の駅」に戻る途中から雨脚が強くなってきた~! 台風の影響か? 帰りの電車が少し不安になりだした。これは「道の駅」をゆっくり見ている場合じゃないと判断して、最優先案件「腹の虫」を落ち着かせることにした。「道の駅」に併設されている、観光案内所で昼食の取れるオススメの蕎麦屋を聞いたのだが、お盆で休業日・・・。それなら、来る時に通った県道13号線沿いに「グラタン・カフェ」? て聞いたこともない珍妙な名前のお店があったのでそこに向かうことにした。
せっかくなので(雨の中)、きた道を引っ返さずに街道沿いを歩くことにする、街道沿いや集落の中にもちょっとした観光ポイントがある。雨の中の観光なので足早であるがじっくり見たら面白そうな「焼き物の金太郎さん」、大阪まで繋がる!?「真田の抜け穴(伝説)」があった。
集落を抜け、雨で滑る坂を降れば県道13号線沿いに出た。「グラタン・カフェ」は目の前だ、「丹生川」のほとりに立つ店舗、入り口は県道から川底に
降りるようになっている。県道と川底の中間くらいにホール(客席)があり、晴れた日なら川沿いのカウンター席がオススメ、川の流れを眺めながら熱いグラタンを食べるのもいい。メニューには、もちろん「グラタン」のみ! 選んだのは、贅沢にここで一番高い~(笑)、「海の幸・海鮮グラタン」にした。そのお味は濃厚なホワイトソースは元より、ソースと生ウニとのマッチングが最高~ 濃厚に濃厚を重ねた至福の味は絶品ですよ! 九度山オススメの一軒です、来店時には電話確認か事前予約をした方がいいです、なんて言っても人気店なのでね。予約なしで、入店できたのは奇跡らしい(笑)。
腹の虫もおさまり、店外に出ると雨は更に強く、おまけに風も吹き出してきていた~! これはまずい、急いで最後の観光スポットに向かう。向かう先は「真田幸村(信繁)」の関ヶ原敗北からの半生を中心に展示している「真田ミュージアム」。ミュージアムは集落街の中心地あたりにあり、門に飾られた「六文銭」が目印だ。館内の構成は「上田時代(長野県)」「九度山時代(映像で紹介)」「大阪の陣」となって居て、「真田幸村(信繁)」の一生をとても簡素に分かりやすく解説してくれています。それもそのはず、このミュージアムは長年、大阪城天守閣で名物館長だった「北川央さん」がプロデュースされて、名誉館長もつとめてられるいるからなんでしょうね。だからなのか、歴史に興味ない方でも「真田幸村(信繁)」の世界に引き込まれます! もちろん、歴史好きにとっても魅力的な九度山観光スポットなのです!
時計を見れば午後3時、そろそろ「九度山駅」に向かわなければ台風の影響を受けそうだ。少し小降りになった隙を見て、忍者の如く「真田ミュージアム」を後にした。3時半の電車に飛び乗り帰路に着く途中、車内アナウンスで
この後の「高野山から橋本駅・計画運休」を聞き胸をなで下ろした(苦笑)。あぁ、途中下車でよかった~ ご先祖様がお守りしてくれました。
旅行中の危機管理はしっかりして、楽しい時間を過ごしましょう。