昨年9月、まだコロナ禍にある中で政府が旅行観光業の支援策として、七月から『Go to トラベル・キャンペーン』が始まった。このキャンペーンは旅行代金、宿泊費を最大三五%割り引いてくれる。旅を我慢してきた旅好きには、よだれダラダラ血走り目ん玉状態になる特典だ。
だが、「まだ、感染者が出ているのに行っていいのか?」と、常識的に考えるオレがいる、「あぁ〜でも行くぞ、近隣なら良いだろう」と鼻息荒いオレなのだ。
行き先は、南海電鉄の券売機で先日みつけた「とくしま好きっぷ」。このきっぷは優れもので、南海線のどの駅からでも、徳島港まで均一料金二二〇〇円(券売機)で販売している。南海線の最寄り駅から和歌山港駅までは電車で移動、そこから南海フェリー『あい』に乗船、約二時間の船旅を楽しめるぞ。
徳島港には一二時五〇分着。船中で一応の行程を考えたが、とりあえず観光案内所(実は宿泊案内所だった)に向かうことにした。案内所に入るとスタッフが話しかけてきた、時間が欲しいので無視(笑)自分の必要としているパンフを頂き外に退散。その中の一つが大当りだ、『市内散策観光マップ・ぶら〜りまち散歩』いい仕事です観光局さん。このマップなら、時間が無くても楽しめる、二キロ前後の趣旨の違う三ルートを紹介している。ビジターにはありがたい。
『市内散策観光マップ・ぶら〜りまち散歩』HP
一つ目の『暮らしのみち』を行くことにする、このみちは城跡(徳島中央公園)を通って公設市場に行くルート。オレは必ずといってもいい位に旅先で市場に向かう。その町の食文化が分かるし、夜の居酒屋放浪の時、非常に役に立つ情報が満載なのだ。
まず城跡を歩いていると、来月開催『野外彫刻フェス』の準備で芸術家達がオブジェを組んでいるのが目についた。街全体でアートを盛り上げるのは好感が持てる。などと思い歩くと、あっという間に市場に着いた。残念ながら土曜日の三時過ぎ、閉店している商店ばかりだ。
収穫なしでガックリだが、その目に飛び込むモノがあった、『そばこめ汁』の看板。「何それ?」聞いてみれば、ソバの実を湯がき、出汁で煮て食べる、徳島の郷土料理だ。小サイズがあったので食べることにした、これが旨いし、二八〇円の安さだ! 新町川沿のいい席を選び、食べていると、対岸に見たことのある古い洋館。記憶の糸を辿ると二〇年ほど前に日和佐ロケの帰りに偶然に見かけた洋館だ、車を降りて見たかったが、その時は時間が無くスルーした記憶が甦った。今回、再会できたのも何かの縁だ、明日ゆっくり拝見しよう(笑)。
店を出て次の『技のみち』を歩く。このみちは新町川沿いから商店街、からくり時計を通り、眉山山麓に位置する『臨済宗・瑞巌寺』を経由して眉山ロープウェイ前まで行くルート。
川沿いには、明日の日曜日、コロナで延期になっていた『とくしまマルシェ物産市』が開催する案内があった(これも明日の楽しみにする)。既に四時前だ、四時半には眉山山頂に着きたいので、からくり時計も明日にして先を急ぐ。
禅寺『瑞巌寺』は自然豊かな緑の中に建つ古刹、庭園を見たかったが「コロナのため拝観中止(涙)」仕方がないとロープウェイで眉山山頂に向かうとする。空にはまだ雲が掛かっている、西日で赤く焼ける空を期待しつつ山上へ到着。標高二九〇メートル、市街地、紀伊水道、淡路島を望む景色は、これしか無いといえる。後は、空焼けをじっくり待つことにする、日落ちが六時一五分、中々焼けずにいる空を見て「まぁ、焦ることは無い、一休み一休み」と臨済宗の一休和尚の如く呟いた。
夕闇迫る六時半に撮り終えて下山、腹も減ったので恒例の居酒屋放浪とする。
南海フェリーHP
眉山ロープウェイ HP
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