第七九回 九四代 後二条天皇陵

還暦前、写真家の「写して候・寄って候」
天皇御陵踏破の旅
鎌倉時代 八二代〜九五代天皇陵

五十路もなかばの頃、ふと考えた。
日本国とは何なのか、日本人とは何なのか。
その答えを探す為に、2600年を遡る時空の旅へ出た。
イデオロギーなど関係無い、ただ、今そこに残る時間の集積を写してみたい。

写真取材 赤木 賢二
 
 

北白河陵(後二条天皇陵)

後二条天皇陵

九四代/後 二 条(ごにじょう)天皇陵
諱/邦治 くにはる 
在位年/西暦一三〇一~一三〇八年
陵形/円丘
皇居/平安京 

所在地 北白河陵 京都府京都市左京区北白川追分町
最寄駅 京阪本線「出町柳」下車、約1,2km、徒歩約15分。

 94代・後二条天皇(南朝)は、2代続いた持明院統(北朝)天皇に不満を持つ祖父・亀山上皇(90代天皇)の強い要望により幕府を動かし、93代・後伏見天皇(北朝)の皇太子となり即位した。即位後は、父の後宇多上皇(91代天皇)による院政を敷いたが、在位7年にして後二条天皇が崩御した。この後も、持明院統(北朝)と大覚寺統(南朝)の対立が深まり、その矛先は鎌倉幕府への不満となり討幕へと展開していくことになる。

 その御陵は、左京区北白川「京都大学 農学部 別館 」の横にある円形の美しい御陵、宮内庁の形式は円丘。
 
 

後二条天皇陵
後二条天皇陵
今出川通り沿いの、コンビニとマンションの間に参道があった。通りより約30mほどで拝所に着く。
後二条天皇陵
後二条天皇陵
後二条天皇陵
御陵はこん盛りとした鎮守の森のようだ。グーグルアースでみれば円形の空堀の様なもので周りを囲んでおり、美しい姿だ。
鳥瞰で見られないのが残念だ。何年カメラマンをしていても飛ぶ能力は付かない・・・(苦笑)。

後二条天皇 第一皇子・邦良親王墓

後二条天皇 第一皇子・邦良親王墓
拝所に向かい左手、宮内庁事務所の横には、叔父である96代・後醍醐天皇の皇太子となるが
即位することなく薨御した「邦良親王」の墓にも手を合わせた。
後二条天皇 第一皇子・邦良親王墓
こじんまりとした墓にあじさいが咲いていた、親子並ぶ墓が気持ちをほっこりさせてくれた。
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