文・写真 やまんなかタヌキ
天王寺動物園の蓬莱ファミリー
2020年11月25日、天王寺動物園に待望のホッキョクグマの赤ちゃんが生まれた。父はゴーゴ(15歳)、母はイッちゃん(6歳)、生まれた子供は女の子でホウちゃんと名付けられた。というか、ママも赤ちゃんも最初から名前は決まっていた!? この2頭は、大阪名物「551の豚まん」で有名な蓬莱さんが天王寺動物園に寄贈したホッキョクグマで、名前はゴーゴから順にゴーゴーイチのホウライにちなんでつけられている。企業が費用を負担した動物で、天王寺動物園ではキリンのハルカス等も同様らしい。ゴーゴがロシアから日本に来たのは2006年、そのお嫁さん候補として2015年にイッちゃんがやってきた。日本に来た時は2頭とも1歳3か月ほどで、ホッキョクグマが2歳程度まで母グマと一緒に暮らすことを考えると、幼い時に気候や飼育環境の違う外国へ連れてこられて不安だったろうなと思う。当時から天王寺動物園のホッキョクグマを担当している飼育員さんがゴーゴの来日当時の様子をブログに記している。ご興味のある方はどうぞ。
天王寺動物園ウェブサイトより
「なきごえ」
イッちゃん初めての出産
シロクマの出産期は11月頃がピークとされている。イッちゃんは初めての出産で、その頃の母グマは非常に神経質になるため飼育員すらも近づくことは出来ない。動物園では野生と同じように、狭くて暗く安心できる産室を作り、10月下旬から産室にこもるイッちゃんをひたすら見守った。シロクマの赤ちゃんはたいていの場合は2匹。赤ちゃんの重さと大きさは親の体格からすると驚くばかりに小さく、たった600gほどしかない。ホウちゃんも一緒に生まれた兄妹がいたけれど、残念ながらお星さまになってしまった。一般的に母熊は、数ヶ月の間赤ちゃんを産室で育て、10キロ前後に成長すると外の世界に連れ出す。ホウちゃんも11月に生まれて順調に10キロを突破。翌年の3月に初めて公開となった。
ホウちゃん元気に1歳を迎える
コロナ禍で生まれたホウちゃん、目出たく2021年11月に1歳を迎え、その姿は元気過ぎるほど元気。毎日色々なモノをおもちゃにして抱っこしたり、頭に被ってプールにダイブしたり、愛くるしい姿で見る人を魅了している。ママもまだまだ若く、遊びたい盛りのようで、時折ホウちゃんとおもちゃやおやつの取り合いをする様子は、微笑ましい親子の姿だ。動物園側からすると、一番可愛い時に緊急事態宣言で休園が増えてしまったものの、来園者が居ない間に、親子がリラックスして過ごせたことが、今のホウちゃんに繋がっているような気がする。実際、観客を入れ出して間もなく、イッちゃんが神経質になり、一時期観覧を中止することになった。1歳を迎えたホウちゃんではあるが、見るからに子熊。まだイッちゃんのおっぱいを飲む様子も見られるらしい。ゴーゴやイッちゃんがこの3ヶ月後に日本に来たことを思うと、複雑な気持ちにもなるなぁ。
明日12月25日へと続きます♪
天王寺動物園