五十路もなかばの頃、ふと考えた。
日本国とは何なのか、日本人とは何なのか。
その答えを探す為に、2600年を遡る時空の旅へ出た。
イデオロギーなど関係無い、ただ、今そこに残る時間の集積を写してみたい。
写真取材 赤木 賢二
長等山前陵(弘文天皇陵)
三九代/弘文(こうぶん)天皇陵
和風諡号/なし
在位年/西暦六七一~六七二
陵形/円丘
皇居/近江大津宮 ※三八代天智天皇 同宮(滋賀県大津市)
所在地 長等山前陵 滋賀県大津市御陵町
最寄駅 京阪電鉄石山坂本線「大津市役所前駅」より、徒歩約二分
父・天智天皇の後継者となったが「壬申の乱」で叔父・大海人皇子(後の天武天皇)に敗北し自害する、悲運短命の天皇御陵。先帝・天智崩御から「壬申の乱」での敗死まで約半年と短く、即位の儀式を行うことはできなかったと言われている。そのため歴代天皇ではなかったが、明治三年に「弘文天皇」と追諡された。また、伝説では「壬申の乱」敗戦後に、密かに落ち延び、御陵も各所(滋賀、三重、岐阜、愛知、神奈川、千葉)に伝わっている。