還暦前、写真家の「写して候・寄って候」
天皇御陵踏破の旅
第三五回　白鳳・奈良時代　四九代 光仁天皇陵

五十路もなかばの頃、ふと考えた。
日本国とは何なのか、日本人とは何なのか。
その答えを探す為に、2600年を遡る時空の旅へ出た。
イデオロギーなど関係無い、ただ、今そこに残る時間の集積を写してみたい。

写真取材 赤木 賢二
　
　

田原東陵（光仁天皇陵）

四九代／光仁（こうにん）天皇陵
和風諡号／天宗高紹天皇　あまつむねたかつぎのすめらみこと
在位年／西暦七七〇～七八一
陵形／円丘　　
皇居／平城京（奈良県奈良市）　※四三代元明天皇と同宮

所在地　田原東陵　奈良県奈良市日笠町
最寄駅　近鉄奈良線｢奈良｣から、バス（北野行）にて｢日笠｣下車、徒歩約10分。

光仁天皇は、三八代天智天皇の孫で、万葉歌人として名を残す「施基親王（志貴皇子）」の皇子。即位は60歳を超えてからと、当時としては珍しい天皇（現在でも歴代最高齢の即位）。在位期間中を平城京で過ごした「奈良時代最後の天皇」でもある。
御陵は市街地から約10kmほど離れた「大和高原」にある、田原地区は田園風景の美しさで知られている。御陵へのアクセスはバスの本数が少ないが、ハイキングや歴史散策を行う人も多く「観光スポット」として認知されている。
　

　
　
田原西陵(父・志貴皇子こと春日宮御字天皇陵)