ソノひびヨリ 第六話 『福岡県・筑豊『大切な人と里帰り』〈前編〉

香春岳

福岡県田川郡『香春岳』右から一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳
 

 今回の旅は、北九州・筑豊取材の仕事を終えての旅だ。ついでといえばついでだが、この仕事を受けたのには目的があった。その目的を話す前に説明が必要だと思う、さらりと話しておく。ここ筑豊は、オレ達の本家がある故郷だ(以上、本当にさらりだ)。

 その目的とは、前年に旅立った、オレの大切な人の骨を連れての帰郷で、代々の墓に分骨することなのだ。生前、彼から故郷に分骨をして欲しいとは聞いていない、ただ、晩年の彼を見ていて、故郷に帰りたいのかと感じていた。彼はオレには一言も、そんなこと言わないが。まぁ、オレの勝手な思いで、生まれ育った、彼の原点に帰する旅を実行したのだ。

 ここ筑豊は、明治から昭和中期まで、炭坑で栄えた街で知られていると思う、もう一つは、気性が荒くガラの悪いイメージだろうか(苦笑)。きっとそれは、五木寛之原作の『青春の門・筑豊編』が大きく影響している。物語のイメージで、プラスもマイナスもつくもので、筑豊をメジャーにして頂き、オレはとても嬉しい(ドラマも数回リメイクされている)。その舞台の一つ『香春岳』は、帰れば必ず見に行きたくなる、不思議な場所なのだ。

 田川郡にある『香春岳』は一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳と三つの山で構成された名称。この山は高品位の石灰岩でできているため、一ノ岳は石灰石採掘でもとの半分の高さまで削られている(元々は標高五〇〇メートル)。見る度に、少しずつ低くなっているのだが、ワシにはよくわからない、物心がついた時からこのカタチを見ているからか・・・。ここは最近流行の珍スポットなんだろうか。

  

To Be Continued  後編へ続く…
近日公開
 
 

一ノ岳

現在も石灰を採掘しているため、少しずつ低くなる「一ノ岳」
 

一ノ岳

「一ノ岳」の麓にある集積所からパイプで、道を挟んで向かいのセメント工場で繋がっている。
 

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今は会社も変わり、この煙突も無くなっている。
 

一ノ岳

別角度からの「一ノ岳」
 

ボタ

撮影をしていた足元に「ボタ(石炭のクズ)」が落ちていた。
 
 

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