mofmof推し歩き 第一話 しばふ〈後編〉

子チーターしばふちゃん・姫路セントラルパーク編

文・写真 やまんなかタヌキ

しばふちゃん

しばふちゃん 2020年3月2日生まれ  メス
母パール 父ピース(どちらも姫路セントラルパーク)
パールの授乳が悪く人工哺育
人懐っこさと、お茶目な性格はそのままでいてほしいけど、
サファリデビューは苦難の道かも?。
 

「しばふちゃん(仮)

 お昼の配信は、チーターの生息地サバンナの景色が壁紙の、人工芝を敷き詰めた特別展示場からで、配信にはチャット機能がある。毎日見ていると同じメンバーが集まるようになった。その頃から、いたずら盛りの赤ちゃんが、配信用のパッドをかじって角度を変えてしまったり、画面からフェードアウトしたまま、「チュン!」という鳴き声は聞こえるも、人工芝だけの「芝生配信」が発生するが、誰一人文句も言わず、温かく赤ちゃんを見守り続けた。そんな理由から彼女は視聴者から「しばふちゃん(仮)」と呼ばれ、視聴者は「見守り隊」とか『しばラー』と呼ばれるようになった。
 その配信は緊急事態宣言の解除後、5月末まで続き、しばふちゃんは自粛期間中に多くの人を癒し笑顔にしてくれた。配信最終日には、園長から見守り隊に、心温まる感謝状のサプライズがあった。

しばふちゃん

チーターは眠るとこんな顔になるんです。キリっとした美しさとのギャップ萌え~。
 

初めまして「しばふちゃん」

 その後はというと、いよいよウォーキングサファリ(歩いて見れる展示場)のチーター展示場デビューが決まる。漸くしばふちゃんに生で会えると知り、すぐに姫路行きを計画。ついに感動のご対面だ!
 その日、朝一番に展示場に訪れた私を、ピョンピョン跳ねてガラス越しに大歓迎してくれた。「しばふちゃん、毎日見てたよ。有難うね」と声をかけた。人工哺育で育ったせいか、人懐っこいしばふちゃんの歓迎ぶりは、来る人みんなを笑顔にした。
 その後7月には一般公募していた名前が、予想通り「しばふちゃん」に正式決定。応募数の3割を超える数だった。(当然私も1票を投じた)コロナ禍での24時間ライブ配信や、視聴者から生まれた名前の由来などが話題となり、各社テレビ局が取材に来る、盛大な命名式が開催された。それからのしばふちゃんの成長の様子は、全国から訪れる『しばラー』のインスタライブ配信によってほぼ毎日見ることができた。しばふちゃんは経済効果も生んでいる!すごいなぁ。
 

頑張れしばふちゃん

秋も深まり、出かけたくなる季節になった。だが今はしばふちゃんには会えない。彼女は今、バックヤードでサファリに出る訓練をしている。まだまだ子供(体重は16キロを超えた)だが、人との距離をとれるようにならなければ、サファリデビューできないからだ。気になる最近の様子は、期間限定のバックヤードツアーと、某テレビ局の動物番組で、見ることができた。
 ありがとう!姫センさん!
 以前の快適そうな展示場(運動場)とは違い、何もない屋外スペースで過ごしているようだ。人工哺育のため他のチーターを見たことが無いしばふちゃん。まずは他のチーターに会うことからスタートしているようだ。見た目は少しワイルドになっていたが、人が近づくと、以前と同じようにグルグルと甘えた声を出し、ピョンピョン跳ねて嬉しさでいっぱいのしばふちゃんだった。「アカンやんしばふちゃん! 人間が好きなままだとサファリに出れないよ!」=会えない。「でもそれがしばふちゃんだよね。本当に可愛い。」私も『しばラー』のはしくれ、訓練の様子は見られないけど、気長にサファリデビューを待つよ。新しい望遠レンズを買ってね。
  
 

生後3か月のしばふちゃんはこちらからご覧ください。
生後間もないしばふちゃん(公式HPより) 

サファリリゾート 姫路セントラルパーク
サファリと遊園地、夏はプール、冬はアイススケートが楽しめる姫路セントラルパークの公式ホームページ

   

絶滅の危機にあるチーター 絶滅危惧Ⅱ類(ⅤU)

 チーターはアフリカからアジアにかけて生息している。天敵のライオンやハイエナから身を守るためと、獲物を認識するために、主に日中に行動するといわれている。大人の体重は20キロ~70キロで、肉食獣の中では細身。走る速さは哺乳類最速といわれ、獲物を追うスピードは時速100キロメートルを超えることもある。
 近年は農地開発による生息地減少や、餌となる動物の減少、毛皮やペット目的の狩猟、違法売買などで、生息数は激減している。野生下での赤ちゃんの生存率は非常に低く、絶滅の危機に直面している。

ラムちゃん

世界でも数少ないキングチーター。斑点模様が連なっているのが特徴
写真は姫路セントラルパークのラムちゃん

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