mofmof推し歩き 第一話 しばふ〈前編〉

子チーターしばふちゃん・姫路セントラルパーク編

文・写真 やまんなかタヌキ

01zoo.himeji.japan1

しばふちゃん 2020年3月2日生まれ  メス
母パール 父ピース(どちらも姫路セントラルパーク)
パールの授乳が悪く人工哺育
写真は生後約8か月のしばふちゃん。
 

ライブ配信との出会い

 年越しが近づいた2019年、16年間共に暮らした愛猫を亡くした。「今年も一緒にお正月が出来るねぇ」と小さな顔を撫でまわしながら話していたばかりだった。
 年が明けて、落ち込む気持ちに追い討ちをかけるようにコロナが広がり、もともと在宅でグラフィックデザインをしていたが、客先にも行けず、100%在宅ワークとなり、毎日感染拡大のニュースを見ては不安になって、ぐんぐん落ち込む日々を過ごしていた。
 そんな時、夕方のニュースで面白い告知があった。姫路セントラルパークが人工哺育中のチーターの赤ちゃんを、ユーチューブで24時間ライブ配信するというのだ。コロナの影響で臨時休園中のパークが、一番可愛い時期の赤ちゃんを見て欲しいという思いと、ステイホームで外出できない人たちの癒しになればと配信を始めたのだ。
 姫セン(関西人はそう呼ぶ)といえば一時、「日本一心の距離が遠いサファリパーク」というフレーズで、(大阪から55分で行けるのに、大半の人が2時間以上かかると思っているから)園長が自虐的CMに出演していたが、あのCMは広告賞を受賞したなぁ・・・などと思いながらホームページで調べてみると、配信は毎日13時からの1時間、ドライブスルーサファリの出口付近に設置した特別展示場で、赤ちゃんがミルクを飲んだり、遊ぶ姿をSNSでライブ配信し、それ以外の時間は、小さな部屋に藁を敷き詰めた赤ちゃんの部屋に、パッドを設置して、24時間配信し続けるというものだった。
 24時間はすごい!夜中だって見れる!最近ナイトZOOを開催している動物園は多いが、夜中の様子を見せてくれる動物園はなかなか無い。大好きなネコ科肉食獣の赤ちゃんが、好きな時に好きなだけ見れるのだ!ヤッタァ!

01zoo.himeji.japan2

生後3か月
 

癒しと勇気の赤ちゃん部屋

 ワクワクしながら赤ちゃん部屋を覗いてみると、大量の藁の上でもぞもぞと動く小さな茶色い物体。「え?この感じが続くのか?」と暫く見守っていると、動くわ動くわ、体長25センチほどと思われるモフモフの赤ちゃんが、藁の上をぴょんぴょん走ったり、飼育員にじゃれついたかと思うと、大の字でスヤスヤ眠ったりと何とも愛くるしい。フワフワの毛にくりくりの大きな黒目が、テディベアのようだ。本来なら母親に甘えて、温かな母乳で育つはずの赤ちゃんは、飼育員が差し出した哺乳瓶にくらいつき、ひとりでは広すぎる藁部屋で、無邪気に遊んでは眠る。小さな体で一生懸命生きようとする姿を見て、私はたちまち赤ちゃんチーターの虜になり、ステイホーム生活真っ只中、ライブ配信が日々の楽しみとなった。

01zoo.himeji.japan3

展示最後日も愛らしい姿で多くファンを喜ばせた。

 

生後3か月のしばふちゃんはこちらからご覧ください。
生後間もないしばふちゃん(公式HPより)

サファリリゾート 姫路セントラルパーク
サファリと遊園地、夏はプール、冬はアイススケートが楽しめる姫路セントラルパークの公式ホームページ
タイトルとURLをコピーしました