五十路もなかばの頃、ふと考えた。
日本国とは何なのか、日本人とは何なのか。
その答えを探す為に、2600年を遡る時空の旅へ出た。
イデオロギーなど関係無い、ただ、今そこに残る時間の集積を写してみたい。
写真取材 赤木 賢二
惠我藻伏崗陵(応神天皇陵)
さすがは国内第2位の古墳、一周するには骨が折れる。
西側には菜園があり歩くには気持ちがいい。
一五代/応神(おうじん)天皇陵
和風諡号/誉田天皇 ほむたのすめらみこと
在位年/西暦二七〇~三一〇
陵形/前方後円
皇居/軽島豊明宮跡(奈良県) 難波大隅宮(大阪府) 葉田葦守宮跡(岡山県)
所在地 惠我藻伏崗陵 大阪府羽曳野市誉田六丁目
最寄駅 近鉄南大阪線「道明寺」から徒歩約一五分
鶴岡八幡宮など多くの八幡神社に御祭神として祀られているのが、神功皇后の御子である応神天皇。
その御陵は墳丘長四二五m(後円部直径二五〇m・高さ三五m、前方部幅三〇〇m・高さ三六m)で、大仙陵古墳(仁徳天皇陵)に次ぐ国内第2位の古墳(前方後円墳)となっている。また、体積の143万3960立方メートルは日本一。
交通機関で訪れる時には、道明寺駅から東高野街道を経由するのがおススメ。
軽島豊明宮跡
諸説あるが、応神天皇の皇居として軽島豊明宮(奈良県橿原市大軽町)が比定されている。
春日神社の境内に宮跡の碑がある。
難波大隅宮
行宮としては難波大隅宮(大阪市東淀川区大隅)がある。大隅神社に宮跡の碑が建っていた。大阪メトロ今里筋線「瑞光四丁目駅」が最寄り駅。
葉田葦守宮跡
日本書紀によれば、応神天皇が帰省した妃を追って行幸したのがこの地らしい。天皇の死後、天皇の遺徳を偲んで祭祀し葉田葦守宮を設けた。これが葦守八幡宮の始めであるとされている。
一六代/仁 徳(にんとく)天皇陵
和風諡号/大鷦鷯天皇 おおさざきのすめらみこと
在位年/西暦三一三~三九九
陵形/前方後円
皇居/難波高津宮跡
所在地 百舌鳥耳原中陵 大阪府堺市堺区大仙町
最寄駅 JR阪和線「百舌鳥」から徒歩約五分
「民のかまど」の逸話が語り継がれている仁徳天皇。御陵は言わずと知れた、日本で一番有名な古墳。
全長約四八六m/後円部径約二四九m/高さ約三六m/前方部幅約三〇七m/高さ約三四mの日本最大規模の前方後円墳。
周遊路は整備されているが、一周するには1時間かかる。あまりの大きさにイメージが掴み切れない人には、南海高野線「堺東」下車すぐ、堺市役所21階展望ロビーから全体を眺めるがいい。
また「百舌鳥耳原中陵」には「大仙公園」が隣接している、この公園にも沢山の古墳があり散策にはもってこいだ。
百舌鳥耳原中陵(仁徳天皇陵)
きれいに整備された拝所。駅からも近いのが便利だ、近くには古墳メニューのあるカフェもある、歩き疲れた時にちょうどいい。
難波高津宮跡
難波高津宮跡は大阪ミナミの隣、大阪メトロ「谷町九丁目」が最寄り駅。ミナミに向かって少し歩けば国立文楽劇場がある。
高津宮の境内には「民のかまど」の絵が寄進させている、扉には大きな菊の御紋。