やいま道行 節祭(シチ) 07

8 overlap Road movie
2009,10,20-10,29

西表島・祖納の節祭(国の重要無形民俗文化財)

長期休暇を取り、目的もなく八重山諸島の西表島を旅した記録。
今回はスペシャル企画で、国指定重要無形民俗文化財「節祭(シチ)」を
八つのシーンで紹介。八重山の伝統文化をどうぞ!

フニクイヌ

scene 07 さぁ! 節祭・ユークイのメインイベント「フニクイヌ(船漕ぎ)」だ

 男子青年が紅白に分かれ、海の彼方にある「五穀豊穣」を運んでくる行事だ、沖合の「まるま盆山」」と「船元の御座」との間をなんと三往復もする!
 まずは、舟子たちが二組に分かれ浜に整列し、総責任者が紅白の抽選をして乗る船を決める。
 はるか彼方の海神様からウシマユー(大島世)、ミリクユー(弥勒世)を頂くために、祈願歌「舟スジラー」を歌いながら歌に合わせて、ひと漕ぎすると櫂を立ててゆっくり沖に漕ぎだす。そして「豊穣・豊漁」を頂き持ち帰ってくる神事だ。
 一回目が終わると直ぐに舟の向きを変えて、二回目の舟漕ぎ競漕のために息を整え、いざ出発! スタート地点の「まるま盆山」の手前に漕ぎ出たら、いよいよここからが本格競漕だ。浜で待つ、ご婦人たちは二隻を見ながら「嘉利(ガーリー)を踊り」手招きしながら声援を送っている。

フニクイヌ
一回目の航海(笑)は「世乞い(ユークイ)行事」で沖に漕ぎ出す!
二回目の航海は、全力で漕ぐ「舟漕ぎ競漕」になる! 白組ガンバレ〜! 赤組ガンバレ~!

浜に着くと直に、前乗りが舟の向きを変え、二番前乗りは浜に立ててあるそれぞれの旗(紅
白)を周り、再び舟へと戻る。

フニクイヌ
フニクイヌ
嘉利
嘉利(ガーリー)を踊り手招きしながら声援を送るご婦人たち
フニクイヌ
三回目の航海だ、浜の旗を廻った二番前乗りが舟に乗り込めば沖に
向かって、三たびスタートだ!

 旗を廻った二番前乗りを乗せたら、沖へと全力で漕ぎ出す。三回目の最後は「まるま盆山」の
向こう側(裏側)を周って戻ってくる長距離走だ!!

フニクイヌ
フニクイヌ
「まるま盆山」を周り、先に帰ってきたのは白組だ。頑張れ、後少しでゴールだ。

 そして、浜に着くと舟子の前乗りは舟を飛び降りて、御座のミリクさまや司さまに向かい、櫂
に股がり「バチカイ」という早口上を述べ、勝ち名乗りを上げる。

フニクイヌ
先に着いた白組。櫂を持ち、舟を飛び降り御座の前まで猛ダッシュ!
する、白組の二番前乗り。早口上で、神々に勝を報告するのだ。もちろん、負けた赤組も神さま
に報告しますよ(笑)。
フニクイヌ
旗頭の前で、勝った喜びを全身で表現する白組!来年は赤組ガンバレ〜!!

国指定重要無形民俗文化財『節祭(シチ)』を知る

節祭は「季節の折り目」、「年の折り目」を表す祭りと言われている。その年の豊作を感謝するとともに、来年の豊饒と人々の平安も祈願する祭だ。
毎年旧暦10月前後の「つちのとのゐ」の日に集落をあげて3日間渡り行事は行なわれる。第1日は家庭行事。第2日は世願い(ユークイ・世乞い)船元の御座(前泊の浜)で行なわれ、第3日は太平井戸で水恩感謝行事で祭は終わる。
今回はこの第2日は世願い(ユークイ・世乞い)を紹介したい。第2日の朝、ドラの合図とともに祭の参加者(演者)はスリズ(祖納公民館)に集合して、笛の合図とともにスリズ(祖納公民館)に旗頭を立てて始まる。
公民館内では参加者のスリズ儀式とミリク神役の島人(四九歳の男性)に「ミリクの面」をかぶる『ミリク起こし』が斎行されている。この儀式により、人から神様になるのだ。その儀式が終わると、旗頭を先頭に、集落内を歌い練り歩き、船元の御座(前泊の浜)へ行列が進みだすのだ。

祖納の節祭01はこちら↓↓↓

祖納の節祭02はこちら↓↓↓

祖納の節祭03はこちら↓↓↓

祖納の節祭04はこちら↓↓↓

祖納の節祭05はこちら↓↓↓

祖納の節祭06はこちら↓↓↓

タイトルとURLをコピーしました