蛇形地蔵〜湯川王子(距離 約四〇〇m・高低差 約〇m・歩行時間 約七分)〜三越峠(距離 約八〇〇m・高低差 約五〇m・歩行時間 約二〇分)
寒さに震え耐え切れなくなり、昼食休憩も早々に切り上げ「蛇形地蔵」を後にした。すると、一〇mほどの所に「湯川川」と言う小川があり、そこは木立がなく「ぽかぽか」とした日差しが差し込む、休憩には最高の場所だった。
「ヒザ男」に『お前が早く休みたいと言うから、あんなジメジメクソ寒い所でメシを食わなきゃいけなくなったんだ!』と八つ当たり気味に言ったら、奴は無言でその場に座り込んむしまつだ。『上等じゃねいか、無言の抗議か!!』などと、バカが小競り合いをしていたら・・・。オレたちの進行方向の暗がりの中から、泥だらけの衣服(普段着)で髪も乱れた女性が歩いてくる! こんな所であんな格好の人と出会うはずがない、あの世のものか? いやいや、遭難者? 自殺未遂・・・。 いろいろと頭を過ったが迷った末に勇気をだして声をかけたら、『◯◯大学で、発掘調査をこの先でしています』と答えが返ってきた。オレは「ホッ」胸をなでおろし、ヒザ男などは怖かったのか無言でリュックを担ぎ歩き出したのだった。
アドレナリンが充満していたのか、あっという間に「湯川王子」に到着した。ここはスタンプポイントなので、捺印を忘れないように。次に向かうのは「三越峠」、登りが続く難所の道程なので気を引き締め進むことにした。
「湯川王子」を出発したら、急な登りが始まった・・・、途中からは、つづら折れの急な登り坂に変わり、急速に「ヒザ男」がペースダウンで遅れだした。仕方がないので、彼にペースを合わせ前に進むとことにするが、それが影響したのか、こちらまでも足首に違和感を感じだした。そんな状況なので「三越峠」では長めのトイレ休憩を取ることにした。「三越峠」の休憩所にはトイレと水汲場がある、水は多めに携帯することを進めます。
テーピングをしっかりして、再出発。休憩所より少し舗装林道を下れば関所のようなゲートがあり、ここから古道に戻る。先を見れば、次は下り地獄がつづきそうだ・・・。
三越峠〜迂回路〜発心門王子(距離 約四,五km・高低差 約三三〇m・歩行時間 約一時間三〇分)
やはり、一挙に高度を下げる下り坂・・・、「ヒザ男」の悲鳴が聞こえるが、こちらも奴にかまう余裕がない(苦笑)。約一〇分ほど下ったのちには、「音無川」沿いのなだらかな幅広道に出たのだが、この後で衝撃的な事実を突きつけられた。
この度、二度目の「迂回」だ!! この迂回情報については知らなかった・・・、と言うよりも、朝に調べていなかった凡ミスだった(こんなバカな事にならないよう、出発前には情報を収集しておきましょう)。これで、次の「猪鼻王子」スタンプポイントには行けなくなった(2021年11月現在・開通)。
また、「ヒザ男」との間には険悪な空気が流れた、だが、罵る気力もなく二人黙って歩くことに集中した。迂回路は平坦な林道で、午前中の迂回路とは違い楽な道程、難なくスタンプポイント「発心門王子」に到着した。
発心門王子〜水呑王子(距離 約一,七km・高低差 約六〇m・歩行時間 約三〇分)
「発心門王子」からは五分も歩けば、発心門王子休憩所がある、ここにはトイレもあり立派な東屋も建っている。オレたちは「水呑王子」越えた所にある『農家民宿はる』で一泊する、夕暮れも近いので先を急ぐ事にした。
休憩所を過ぎると、集落の中にある穏やかな道へ入って行く、こんな道を歩いていると昼間の悪路は何だったのか? と、思ってしまう気の緩みようだ。集落を抜け切ると、下り道と上りの道の分岐がある、当然のように下りを歩いたが、途中で間違いと気づき引き返す間抜けよう。よく見ると表示があり、その上、八咫烏の木の彫刻まであった、気が緩むとこのような事になるので注意してください。この後は一本道で、迷う事もなく「水呑王子」に着いた。
この続きは2月2日につづく
蛇形地蔵〜水吞王子